story.30 ページ31
「駄目! こればっかりは尊敬するクー様の言葉でも聞けないね。一生野宿してりゃいいんだ、フンっ」
クーの言葉を以てしても聞いてくれないのでは、トッコリの塒にも期待は出来ない。
まさか横取りする訳にもいかないし、こうなると手詰まりだ。
説得に失敗したクーが、大きな木の枝に腰掛けるAを振り返って、力になれない事を申し訳なさそうにして言った。
「A、トッコリは頑固者じゃ……別の木を探した方が良い」
「別の木……別の家ですか……」
別の木となると森の中という話になるが、カービィを森の住人にするのは難儀だ。
ある物をほぼ際限なく食べつくしてしまうし、制限がつけられない。
また、“既にある場所”にはカービィを住まわせられない。
つまり他の場所で彼が住めるような場所を──作ってしまった方が良い訳だ。
「──そういえばそうですね!」
ちょっと大変だが、それも最終手段としては最善手ではないだろうか。
両手を合わせたAは曇っていた表情を一気に明るくさせて頷く。
始めの内は手段なんて幾らでもあると思って居た筈なのに、つい必至になりすぎてすっかり頭が凝り固まっていた。
「姉ちゃん、なんか良い案でもあったの?」
「小屋を建てるんです。皆でパーティが出来るくらい広いものを!」
つられて笑顔になったブンに、期待満々に問いかけられたのに対し答えるA。
既に思考は始まっていた。そうと決まれば、まずは設計図から作り出さなくては。
もちろん、自分達だけではとても人手が足りないので大人達にも協力してもらって。
先日、村を救ってくれた星の戦士の為と伝えれば間違いは無い。
〜･〜･〜
あれから数日かけて、計画を立て設計図を作ったAを中心に小屋作りが始まり。
意図して呼んだ訳ではないのだが、始めの内は同行して居なかったパンサーも、人のように両手は使えないながらにもしっかり貢献してくれた。
特に重量のある材料を運ぶのには重宝されていたようだ。
そしていよいよ完成の日を迎えた時、記念に野外でパーティを開く事にした。
これにはレン村長やボルン署長、その夫人も参加してくれている。
「皆さんの御協力のおかげで、カービィのお家が完成致しました! 本日は、その披露パーティです。──では、主賓のカービィ!」
彼のための小屋は、立派な木の上に建てられた。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
