story.28 ページ29
納得がいかないままボルン署長にこっ酷く怒られ、めげずに次に行く。
今度はカービィの食事の問題に立ち直って、パブを経営するサモの許を訪れた。
試しに彼にシェーカーを振らせながら話をしているものの、あれは用途をわかっていて振っているのだろうか。可愛いから何でも良いが。
「ここは大人の店だからねぇ……こんなちっぽけなのを雇いたくないんだ……」
「サモさん、彼には仕事とお家が必要なんです」
「うーん、でもなあ……」
確かに見た目、大人とは言い難いカービィはこの店には似つかわしくない。
あまり良い顔をしないサモの考えは理解出来たし、何よりお酒に触れさせるのもA自身どうかと思ったのだが、彼の宿の為ならやむを得ないと判断したのだ。
せめて今日一日だけでも──そう身を乗り出そうとした時、カービィの方から大量のビールが噴射機のようにA達に降り注いだ。
彼はいつの間にかシェーカーを樽に持ち替えてそれを振り続けていた。
やはりあの器具の用途を理解して居なかったらしい。
次は骨董屋を経営する、考古学者のキュリオの許を訪ねた。
ここまで来ると本当に手当たり次第といった感じだが、キュリオはプププランドにおいて大変な知識人であり、誠実な人柄の持ち主である。
元々、Aも知識欲は旺盛な方なので、以前から彼を慕っており、彼にはプププ文明の教え子として可愛がってもらっている間柄だ。
故にキュリオに頼めば、あわよくば屋根の下くらいは与えてくれるかもしれないと期待しての訪問だったのだが、彼もあまり気が進まない様子であった。
「むむ……そう言われてもなぁ。ここにあるのは、みんな貴重な物ばかりでな……。とても子供には……例えば、この棚の上の壺は二万年前の古代プププ文明の──」
言いながら棚の上を示そうとして顔を背けるキュリオに、A達もつられる。
確かカービィも丁度その棚のところで大人しくして居たような──。
そう思って見たら、なんと棚の上に乗っていたのだろう壺を頭に被っているのだから、Aとキュリオは揃って声にならない悲鳴をあげた。
「「「ああああああっ!!」」」
視界の遮られたカービィはよろめき、音も無く棚の上から床へと落下していく。
子供達もこれはまずいと察して驚愕の声を上げながら飛び込んだが、時既に遅し。
二万年前の古代プププ文明は目の前で無残に散った。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
