story.26 ページ27
レストランの主人と言ったらカワサキしか居ない。
呼びかけに応えたカワサキを、呼んだ当人であるにも関わらず押し退けてテーブルに着くのがこの大王である。
何を言っているのかよくわからないと思うが、これがありのままの現実だ。
「えーと……カツ丼とキャビアと冷やしそうめんとカタツムリの塩焼き!」
「ゲッ! 最後のはご勘弁を……!」
カタツムリの塩焼きをエスカルゴンの前で頼むデデデの図太さよ。
あの大王の場合は本気にしているのか冗談なのかある意味わからないのが怖い所だ。
注文を受けて、カワサキはすぐさま自慢の速さで料理を作り上げていく。
「デデデが外食なんて……?」
「なにか企んでるのよ、A!」
「ええ……」
ホッヘとラララの声に、周囲から認められるほどの寛容さを持つAも同意する。
ああ、気まぐれでも何でも良いから、どうか何事も無く済んでと祈る気持ちで。
まあその祈りも大王の許では虚しく散るのが適当なオチなのだと断言も出来た。
早速カービィが作られた食事をデデデ達の座るテーブルまで運んで来る。
するとやはり、杖の柄で足を引っ掛けられた彼は見事なまでの転びっぷりを見せた。
「ぽよ!?」
「イヒヒヒ、なんて間抜けゾイ」
「カワサキ! 料理がパーでゲスよー!」
「えー!? ひっくり返した!? …………もう!」
笑うデデデと、さも彼の失敗であるかのように店の奥に呼びかけるエスカルゴン。
また作り直しだと怒るカワサキが、先に仕上げていた次の料理をカービィに任せる。
それも今度は皿を置く直前にテーブルをずらされた事でひっくり返してしまい、次は仕掛けられたバナナの皮で滑ってひっくり返った上に他のテーブルを巻き込み
更に次は何処から出されたのかスケートボードに引っ掛かって厨房に身を投げた。
──働き者はついに店を追い出され、道端を転がる。
「こんな役立たず、お断りね」
「そんな、カワサキさん。悪いのはカービィではありません……」
「デデデがいじめたんだ!」
「でも、相手は大王! 逆らえないね。Aさん、貴方もそうだろう?」
「それは……」
慌てて駆けつけたAとブンがなんとか思い止まってくれないかとカワサキに向き合うが、例え事態を理解しても料理人にとっては
作った料理を無駄にされてしまうのが何よりも痛手なのだ。
その上、相手が大王である立場を話に出されてはAも何も言えなくなり。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
