story.25 ページ26
〜･〜･〜
「え、カービィを?」
「お願いします、カワサキさん」
カービィにとっての一番の問題が食事の量なら、飲食店に頼めば解決する筈。
そう踏んだAが、そのまま興味本位の子供達を引き連れて雨が止んだ頃に立ち寄ったのは、村で唯一のレストラン･カワサキであった。
突然の頼みなのでやはり驚かれたが、この先の会話がカワサキの他とは違うところ。
「仕事キツイよ、給料安いよ、休みないよ?」
「だから、その代わりに店に住み込ませてやったら?」
「でも、Aさんとブンのパパは大臣閣下だ。なんでお城に住まわせない?」
「……陛下はカービィを嫌がっておいでなんです……」
──本当はそう出来れば一番話が早いのだが、城にも最も悩ましい問題が在る。
カワサキの当然な疑問に、Aは少し声を小さくして苦笑した。
だが訳を聞くと、ブンにも頼まれた彼は快く頷いて小さなカービィを掴み取る。
「わかった! でも、仕事はちゃんとしてもらうよ!」
それからすぐにカービィの仕事が始まった。
今もお昼時で何人か来ている客に、次々と作られた食事を運ぶのが彼の役割だ。
レストランで働く人はカワサキしか居ないから、カービィが来たお蔭で彼も料理に専念出来て一石二鳥になる筈。
窓枠からこっそり様子を覗くが、大食らいのカービィも流石に状況は理解するようで、客の注文を的確に対処していく──彼にお会計をさせるのは酷というものだ。
「よく働いてるじゃん!」
「あれなら合格ね」
「でも、戦士にはやらせたくない仕事だぜ……」
戦士の仕事と言えば村を守る事とか、警備に回る事とか(村には唯一の警察が居るが)、他にもあるだろうに、よりによってレストランのホールスタッフとは。
イローとハニーが納得する傍ら、やはり複雑な心境らしいブンは良い顔をしない。
しかしこのまま順調に行けば、カービィは無事に宿を得られる事になる。
順調に行けば──。
「主人はおるかー?」
こういう時に限って戦士に取っ手付き物の災難はやって来る。
いつの間にか早くも直っている装甲車を走らせて、デデデとエスカルゴンが珍しくもレストラン･カワサキに来店した訳なのだが、嫌な予感しかしない。
コックも、大王を前にしては頭を下げる立場でしかないというのに。
「これは大王様! 私の店でお食事を──」
「どけぃっ!」
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
