story.18 ページ19
水槽の中で静かに生息していたそれは、A達がまじまじと見ている内にどんどん巨大化していき、水槽に収まらないどころの騒ぎでなくなる。
或いは王座の部屋も覆い尽くしかねない怪物に、ブンが腰を抜かす勢いで驚愕する。
「うわぁああっ、魔獣だ! これじゃ羊を食う訳だよっ!」
「しかも、陛下を操っていた!」
羊達を食っていたのもそうだが、デデデの様子がおかしくなっていた原因すら、初めて此処で見た時には全くの無害に思えた、あのタコだったのだ。
──巨大化が進むオクタコンの足がついに部屋の壁を突き破った。
それくらいの頃だろうか、柱にぶつかり気を失っていたデデデが目を覚ましたのは。
「ぎゃああああ! これはなんゾイ!?」
「陛下がダウンロードした魔獣でゲス!」
「こんなデカいのをクリックした覚えはないゾイ!!」
エスカルゴンもいつから居たのか瓦礫の影から顔を出して何やら話しているが、幾ら動揺しているからって、言い争っている場合でも無い。
ともかく、さっきまでデデデに追われていたカービィは一体何処に。
オクタコンが巨大化し出してから姿を見なくなったが、先に部屋から脱出したか。
見渡せる限り視線を動かすAだが、やはり小さなピンク色は認められない。
その間にも状況は変わり、剣を引き抜いたメタナイトがデデデ等の前に躍り出た。
「──陛下、お逃げを!」
「A、ブン! 早く背中に乗って!」
ソードとブレイドも、自分より何倍も巨大な敵に果敢に攻め込んで行く。
一方、パームとメームの避難を済ませて戻って来たパンサーがA達を急かす。
直にこの部屋自体がオクタコンにより崩れ落ちてしまうだろう。
今日はいつになく彼を酷使する日だと思いつつ、再びその背に身を置いた。
逃げ足早くも先に部屋を出て行くデデデ達の後に続き、廊下を奔走する。
だが、オクタコンの足が此方を追って頭上を這うので容易にスピードが出せない。
やがて天井で伸び続けていた足の二つが、A達に向かい一気に振り下ろされる。
それらの様子を窺っていた彼等は敵の攻撃を悟って血の気が引いた。
「「うわぁぁっ!!」」
これでは剣を抜いても、此方の手が届く前に敵の攻撃を食らってしまう。
咄嗟に懐から何かを取り出して投げたAは、敵の足の片方がパンサーの前方の地面を打ち付けた衝撃で身を投げ出されるのを感じ、後ろのブンを抱え込む。
後は体が地面に打ち付けられる衝撃に身構えて、堅く目を閉ざした。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
