story.10 ページ11
一連の事件を見ていたレン村長とボルン署長に声を掛けられ、恭しく頭を下げる。
さて、スイカ畑を作っている村民には後ほどしっかりとお詫びするとして、デデデ等から逃げていたカービィは何処へ行ってしまったのだろうか。
生い茂る緑の中では探すのが難しいので、遠くへ行っていなければ良いのだが。
「…………カービィ?」
慎重に地面を踏みながら探していると、すぐにピンク色の頭が緑の中から覗き出す。
何やらもぞもぞと動いている所を、手前の葉をかき分けて全貌を確認してみると。
丁度、自分と比べてたった一回り小さいくらいの大きさのスイカを丸々一つ、大きな口の中に押し込むようにして入れてしまったカービィの姿を見た。
「…………」
食欲旺盛だわねなんて笑って言えるようなレベルじゃない、スイカを丸ごと食べようなどA達でさえ無茶な話だ。
それ以前に、大怪我も免れないような事態に見舞われたのに、呑気にスイカに目を付ける神経の図太さにも感服させられるというか──。
言葉を失うAの前で、事知らぬカービィはケロっとした顔つきで居たのだった。
〜･〜･〜
──まだカービィが救世主である証拠も何もわかっていないが、賢者の岩であるカブーの予言には疑いの余地などない。
カービィの無事を確認した後、レン村長は救世主である星の戦士を歓迎したいというAの話を快く聞き入れ、細やかなパーティが開かれた。
陽は落ち、頭上に星空が広がる頃、豪華な食事を前に十名を越える村人が集まり、村長の家にて、カービィを中心に大きな長テーブルを囲む。
「なにはともあれ、カービィ殿の御来訪は、此処ププビレッジにとりましても、私、村長にとりましても誠、恐悦至極」
「この警察署長にとりましても!」
「然るに──」
「挨拶はもう良いよっ」
「彼は言葉は苦手なんです……」
レン村長とボルン署長が共につらつらと述べている何やらをまともに聞いて居ないブンは、既にナイフとフォークを手にしびれを切らしている。
本当ならこの言動を抑える所だが、恐らくカービィも話を聞いては居ないだろう。
そう判断したAは苦笑しながらさり気なく挨拶の割愛を求めた。
「では、カービィ様の御健康を概して、カンパーイ!」
「「「カンパーイ!!」」」
──大人達が掲げたグラスのぶつかる、チンと鈴がなるような音が合図だった。
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Laven(プロフ) - みしょさん» コメントありがとうございます! 最初に注意喚起をしていますが、当作品はフーム成り代わり小説です。ご感想もありがとうございます。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: de67700d03 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - あ、とても面白いですよ！ (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
みしょ - フームどこ行ったww (2019年5月14日 7時) (レス) id: eeba923039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Laven | 作成日時：2017年6月15日 9時
