Assortment (HIGH ＆ LOW) (ページ9)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:28,123 hit

クリスマスのご予定は？ 4 小田島くんページ9

「おい、ヤバいって」

そう言った男その1は、焦りだした。
まあ、そうだろう。声をかけてくれたのが彼、上田くんだったから。彼に喧嘩を売るのは得策ではない、そう判断した男その2は、

「待ち合わせの相手来たんでしょ？俺らはこれで」

と、よくわからない言葉を残し二人で走って行ってしまった。残されたのは、私と上田くん。

「ったく、何絡まれてるんだ……」

「いや、勢いで来たのはいいんだけど、失敗したなって気がついた」

苦笑いしかできない私に、再びため息。

反省はしている、ものすごく。彼が来なかったら私一人ではどうにもならなかった。

「小田島は、知ってるのか？」

「知ってる」

少し考えた後に歩き出す上田くん。

「行かねぇの？俺が一緒なら男避けになるだろ」

思いがけない言葉に驚きながら、上田くんに惚れそうになった。この人を慕う有剣と志田くんから聞いた通りだ。

「ありがとう」

ここからは、スムーズに目的地に着くことが出来た。
上田くんが、学校の前で歩みを止めたので、私も止まる。
その視線の先に、校門の前で不機嫌そうにしている有剣がいた。ぽんと背中を叩かれ1歩前に出るが、あの雰囲気の有剣に近寄る勇気はない。

「A、自分が何したかわかってんの？」

この声色は、ダメなやつだ。
ワントーン下がった声で、つま先を地面にポンポンしてる有剣の傍に行くのは危険だ。