Assortment (HIGH ＆ LOW) (ページ8)

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クリスマスのご予定は？3 小田島くんページ8

勢い任せで来たのを今後悔してる。
鳳仙学園の最寄り駅で降りれば、周りにいるのはガラの悪いいわゆる不良ばかり。有剣と志田くんの名前を出せばわかってくれる人達(鳳仙の生徒)ならば良かったが、ここにいるのはどう見ても鳳仙の名前を出してもどうにもならない人達ばかり。
ドキドキしながら、コソコソと歩いていると声を掛けられた。見るからにこれはまずいと聞こえないふりをしたが、ダメだった。

「こんな所で、誰と待ち合わせてんの？」

ニヤニヤした顔が気持ち悪い。無視をしてやり過ごしたかったが、もう1人に進路を塞がれていて身動き取れない。ぎゅっと目をつぶり、持っていたカバンを抱きしめるようにして、なんとか恐怖を紛らわそうとしたが、

「無視してんの？怖いことないからさ、答えてよ」

ケラケラ笑い始めた。こいつら何が面白いのかわからないし、どう転んでもこの状況は怖い以外にはない。

「どいてください。誰かと待ち合わせは……」

してませんって、言えなかった。言おうとしたら後ろから声をかけてきた人がいたから。

「おい」

私と絡んでるふたりが、声の方に振り返る。そこにいたのは鳳仙の制服を着た人、それはわかった。有剣が着てるのを何度も見ている。でも、顔はわからない。

「邪魔すんな……って、お前」

そういったきり無言になり、男たちに隙が出来たのでそれを見計らって声をかけてくれた人の方に走っていくと、それが誰かわかった。相手も私がわかると、一瞬驚いていたがその後、呆れた顔をしてあからさまに溜息をついた。