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彰「瑠衣子くんは忙しそうだし、最近助手をしてくれてる1年生の子は 妖怪にはそんなに興味が無さそうなんだ…妖怪の話で盛り上がってくれるの、やまだくんしかいないんだよ…」
涼「急にそんなシュンってしないでくださいアキラ先生、行きましょう？ね？いつにします？？」
彰「行ってくれるの…？ やったぁ…！」
涼「分かった、分かったから………」
俺がまだ学部1年生だった頃、高槻先生の『民俗学�供戮箸い�講義を般教で取っていた。
単純に興味があったし、その上 楽単だって聞いたし。
受けてみれば、先生が 綺麗な顔 綺麗な声で おぞましい怪異の話をするという、一般教養科目にしては変わり種すぎる授業で
前期最初の小課題で妖怪のレポートを書いたら、先生のテンションが爆上がりして研究室にまで呼び出され、その週の週末には妖怪関連の特別展に一緒に行くという なかなかのスピード感でこの人とは出会った。
彰「未だに妖怪好きの学生は そんなに現れないんだ。カワイイレベル止まりなことが多くって。」
涼「俺が変わってるだけだと思いますよ…？てか先生、助手いるんすね」
彰「あぁ、深町くんっていうんだけど。僕と同じ匂いがしてね。」
アキラ先生と同じ……わふわふとしっぽを振る大型犬をイメージするほかないけど……
涼「若い子に道案内してもらってるってワケですね。」
彰「そんな人聞きの悪い！若い子って、やまだくんもまだ24でしょう？僕もう35！」
綺麗な手をぱあっと広げて5を表現するこの人は、いくつになってもいつまでも少年なんだろうなぁなんて考えた。
彰「引き留めちゃってごめんね、日時は追って連絡する。」
涼「分かりました。ココアご馳走様です」
彰「いえいえ！慧によろしくね」
さて、俺は院生の本業に戻るとしよう。文学部の研究室棟は薄暗く静かで落ち着いていてコーヒーの香りがして、少し緊張してしまうから。
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作者名：み！
| 作成日時：2021年9月18日 22時
