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▷Saturday 2:00p.m.
@地下駐車場







慧「今日、彰良に会うんじゃなかったの」


涼「会ってきた。妖怪絵巻展行ってきた」


慧「まぁたそーゆーの!……でもよかったの?彰良置いてきて」


涼「アキラ先生と話してたら、…伊野尾ちゃんに会いたくなった、から」





焦げ茶色の瞳が スッと俺を捉えて、ぐらりと揺れた








慧「俺は……彰良みたいに華やかじゃないし、センスとか能力も無いし…おじさんだし、地味で根暗な理系人間だよ?」



涼「…なんでそんな自分を卑下するようなこと言うんですか。」



慧「それでもやまちゃんは、俺を好きだって 言ってくれるの?」




涼「当たり前です。確かにアキラ先生よりは華やかじゃないかもしんない。ド理系で“普通”の人間だと思ってるのかもしれないですけど、でも」





_いらっしゃい、ようこそ喜多研へ!

_ふふふ、緊張しなくて大丈夫だよ。よろしくね。


そう言って ガチガチだった俺の頭をふわふわと撫でてくれたあの日から、俺はこの人しか見ていなかった。







涼「俺が好きなのは、誰に何言われたって 准教授 “じゃないほう” だもん。……ううん、伊野尾先生 “のほう” …伊野尾ちゃん自身が好き、なんです」



慧「やまちゃん、…………」





頭にのっけられた手は、いつものように髪をぐしゃぐしゃかき混ぜることなく
その場でじっと 体温を集めた。





涼「…………あと、アキラ先生の方が まあ年上だから“おじさん”だよ?」


慧「…………ふは、確かに(笑)」







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作者名:み! | 作成日時:2021年9月18日 22時

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