白鳥沢にはもう一人一年レギュラーがいました 3rd 【男主】

Ｎｏ．９３ ページ8

逃げるように去っていった仁花さん


彼女の姿はすっかり見えなくなって、俺は仁花さんから貰った紙袋の中身を見た


ウィダーがレギュラーメンバー分
これはありがたかった


手作りのお菓子とかは嬉しいけど、実は試合前には食べられない


監督やトレーナー、コーチの指導で体に影響が出る可能性がある
他人の手作りの物は口にしてはいけないのだ


食中毒とかになって試合出れませんでしたなんてなったら話にならないからな



だから市販のもので、さらに試合前に飲めるウィダーはありがたかった



"皆さんで食べてください！"



A｢皆さんで、か……｣



五色｢おいA、そろそろ戻るぞ……ってまた貰ったのか……

お、ウィダーじゃん
これなら飲めるな！しかもレギュラーメンバー分あるし！｣



A｢仁花さん、皆さんでって言ったんだ……｣



五色｢え？｣



A｢今までの子は俺へ俺へって個人宛だったのに……｣



五色｢A？何言ってんだ？｣



っ！！？
俺、何言ってんだ……



これじゃあまるで、仁花さんが俺個人にくれなかったことに対する嫉妬みたいじゃん



A｢ごめん、なんでもない



気の利いた女の子が、皆さんにってさ｣

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