22話「ともだち」 ページ22
『……へ？』
思いもしなかった言葉に拍子抜けした言葉がそのまま口から出てしまう。
名前で呼んでもらう分には全然構わないのだが何故そんなに歯切れが悪いのかが分からなくて思わず首を軽く傾げてしまった。
『大丈夫、ですけど…』
「マジで？！ウワーッ！ありがとうほんとに！」
許可を出した途端突然喜ぶぐちつぼさんの様子に河童と言うより、耳としっぽの生えた犬を想像してしまって和やかになってしまう。
私の方が全然怪物歴は短いから名前で呼んでもらっても構わないのに。
「じゃあ次はAが俺の名前を呼ぶ番！」
『…え？』
一人で勝手に和んでいると突然そんなことを言われて目を点にさせる。
本当に一体どういうこと？私の名前を呼ぶという関連性でぐちつぼさんの名前を呼ぶ、というのは確かに理解ができるものの……。
『ぐちつぼさん？』
「違う！さんは要らない！！」
『敬称無しで…？！そ、そんなの無理です！』
「じゃあ俺もAのことは名前で呼ばねぇし、これからずっと六人目様って呼ぶから！」
それはちょっと距離がありすぎるような気もする。
何故私が「さん」付けをしただけでそちらが「様」付けで呼んでくるんだ……。
理解できないことに頭を悩ませていると、ぐちつぼさんがポツリと一つ呟いた。
「対等な関係で仲良くなれる方法だったら、まずは互いに敬称無しで呼び合うのが良いだろ……」
小っ恥ずかしそうに呟いたぐちつぼさんの言葉を聞いて目を見開く。
『ぐちつぼさんを含めた怪物達と仲良くなりたい』と言ったのは確かに私の方からだし、さっきそれについてずっと考えていたって言うのに。
仲良くなりたいというのは本音だし、新しい人生を怪物として歩むのなら皆さんと仲良く笑いあっていきたい。
「べ、別にAがそう考えてないなら俺も＿＿」
『＿ぐちつぼ』
私がそう言うとぐちつぼさん……ぐちつぼは目を見開かせて私の目を見た。
私は一つニコッと笑ってもう一回彼の名前を呼んだ。
『これからよろしくね、ぐちつぼ』
数秒固まっていたぐちつぼだったが、次第にどんどん小刻みに震えていって、終いには目に涙を浮かべていた。
「ヤベェ、まともな怪物がこの世に居ただなんて俺……」
「わたしはまともなんだけどー？」
「鏡見てから言えよ」
「ぐっち出禁にするよ？」
にこにーさんが帰ってきた、そう思って声のした方を見てみると、なにやらデカイ荷物を持ったにこにーさんがそこには立っていた。
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黒狐 - …！前の作品も読ませていただいてました!リメイク版してるのみて駆けつけました!リメイク版も面白いですね!同じ作品を2度楽しめてこちらも楽しいです！ありがとうございます！更新応援してます! (4月23日 22時) (
レス) @page43 id: fb020f6fb3 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 2.3年前から読ませて頂いていて何度も読み返すほど大好きな作品です!リメイク前の方も読ませて頂いてます!変わった妖怪という世界観だったりする所やストーリー 設定などとても面白くてめちゃくちゃ好きですまたいつか続きが読める事をずっと待っています。失礼しました (7月3日 11時) (レス) id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
ミドロ - なにこれ……か、か…！神作じゃねぇかよぉぉぉぉぉ！！！！更新頑張ってください！！！！ (5月30日 13時) (レス) @page14 id: 9d7832c4d1 (このIDを非表示/違反報告)
トキ(プロフ) - まだ待ってますから、どうか続きを恵んでください (2022年9月11日 17時) (レス) @page14 id: 44c169a7de (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - 凄い………私もこんなの作って見たいのですか妖怪などが思い浮かばないです……少しだけ真似してもよろしいでしょうか(土下座)続編待っています!! (2022年1月30日 9時) (レス) id: 30ab8735d2 (このIDを非表示/違反報告)
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