��.Mr.Melancholia And Foster Family ページ10
「そうですねー…誰から話そう、ルイさんからにしましょうかねー…」
「自分の事くらい自分で話すわ。Aちゃんはジェラートでも食べとき」
「わあ、ルイさん、ありがとうございまーす…!」
梶本の話を遮ったAが話し出そうとすると、見計らっていたかのように鏡の中から累が戻ってきた。Aにジェラートを渡すと、累は一度伸びた髪を縛り直し、口を開く。
「…僕な、捨て子やってん。Aちゃんの父親に拾ってもろうて…一緒に住んどる。何や、Aちゃんは妹みたいなもんよな。あ、梶本はんと違って暗殺者とか殺し屋の類ではあらへんで。それと、この鏡は僕の魔法で出しとる奴。あんま見んかも知れへんけど、魔法とか能力持ってる奴が少なからずいるんは、知っとるやろ?……ほい、僕の事終わり。これ以上は…僕も知られたくないんよ。堪忍してや」
累の話に、先程までの楽しそうな雰囲気は消え去ってしまった。
優月だけはもっとドラマを聞きたかった、と言いたげな顔をしているが。
「…エミさん、どないする?言っとく?」
「言わなくても良いんじゃありませんか?」
「じゃ、必要最低限……俺は"元"暗殺者やった。今はちゃう」
「…私は本当に言う事がありませんので…あとはAさんだけですね。」
「えっとー…じゃあ、私の事、ですね……んー…あ、ルイさんの言うように、知られたくない事もあるので、どうしても聞きたい事がある場合はコッソリ聞いてくださいねー。口外厳禁を条件に教えますので……えっと、私は…何て言うんでしょう、難しいです……シェフとジローさん以外とは義理の家族、ですかね?はい…でも、私もルイさんと同じです。結局、拾われただけで……と言うより、両親は…事故で…その……エミさんとエドさんも、義理の父に拾われて…男だらけでシェアハウスしてたところに、私が入ったんです。皆さん良かったですねー、華がありますよー?……あははっ、ここまで聞いて、嫌になった人もいるでしょうねー……今すぐ出てっても、良いんですよー……」
震える声で、無理矢理笑顔を浮かべるAの頭に、何かが優しくっそっと触れた。
【憂鬱男と義理の家族】
�将�.The Warm Place→←��.Relationship
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作者名：御鏡 | 作成日時：2019年5月20日 8時
