��.Threat ページ6
「私が合図を出したら入ってきてくださいね」
「はーい」
眠気に目を擦りながらAが返事をすると、その隣に鏡が現れ、見知った二人の姿を映し出す。しかし、それは何をするでもなく、そのまま消えた。
(エミさんもエドさんも遅いですねー…)
国語教師ともう一人の体育教師補佐はまだなのかと思い、Aがぼんやりしていると教室の中から殺せんせーの「どうぞー!」と言う声が聞こえた。気を入れ直して、Aは教室の扉を開ける。
「どーん…!今日も和やかスマイル浮かべて転入してきましたー。小日向Aでーす!皆さん、宜しくお願いしますねー」
「ども〜、
「私、梶本慈狼と申します。体育補佐を務めさせて頂きますので、何卒宜しくお願い致します」
寝惚けながらも自己紹介をするAの様子に、歓声を上げる者。累の淡泊な自己紹介に、苦笑を漏らす者。梶本が体育補佐と言う事に、驚きの声を上げる者。反応は様々であったが、次の瞬間、A・累・梶本を除く全員が満場一致の反応を示した。
「「「な、何じゃこりゃああああ!?」」」
それもその筈。Aの隣に、成人男性ほどの大きさの巨大な鏡が現れたのだから。
「あ、やっと来ましたねー…!」
「来た、って言うか呼んだん僕なんやけど?褒めてや」
「開けますよー」
「僕の事は無視かいなっ!?」
ぎゃあぎゃあと喚く累を無視し、へにゃと柔らかい笑みを浮かべてAが鏡に触れると…
「……え、あの、私………普通に入って来たかったんですけども…嗚呼、皆様こんにちは。国語の教師を務める事になりました、エーミールです。宜しくお願いします。」
ベージュ色のトレンチコートを着た男が突如鏡の中から現れた。エーミールと名乗った男は、淡々と自己紹介をした後に、些か慌てた様子で窓を開けた。
「流石エミさんナイスですわぁ!!」
エーミールが窓を開けた直後に、窓から教室に飛び込んできたのは、真黒なパーカーを着た男で、エーミールが気付かなかったならば、彼は窓を突き破っていた事だろう。
「チッスチッス、エドワードっす。気軽にエドとかエディって呼んでや。あっ、ちな俺が体育教師補佐でエミさんが国語教師な!!」
「……エドさんはただの脅威でしょうが」
エーミールがぼそりと小さく呟いた言葉は、誰の耳にも届かなかった。
【脅威】
��.Dangerous **→←��.Five Six Four Eight
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作者名：御鏡 | 作成日時：2019年5月20日 8時
