【暗殺教室】突然ですが転入する事になりました。マフィア幹部です宜しくお願いします (ページ17)

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ⅩⅦ."Murderer" ページ17

「ルイさーん…あのマネキンさんは一体何なんですかー…?」
「嗚呼そっか…ルチアーノはんは常にAちゃんを心配してる。何があっても君が前線に出る事はなかった…だから、知らないんよな。うん…あれはシャーデンフロイデ。シャーデンフロイデはドイツ語で、「他人の不幸は蜜の味」と言う意味で……彼奴はアテールの、僕の一人や」

昨日とは打って変わって真剣な声で話す累の様子に、皆険しい表情をマネキンへと向ける。中には、対殺せんせー用の銃を向ける者もいた。そんな中、Aは慌てて累の前に駆け出て、マネキンを庇うように両腕を広げた。

「ま、待ってくださーい…!今この人?は、棄てられたんだって言いました。もし本当なら、話だけでも聞くべきですよー…!!」
「…Aちゃんが、そう言うなら……話だけは、聞きましょか」
「やれやれ……私は棄てられたんですよ。自分のしている事の重大さに気付いたんです。用済みになれば棄てる。それがあの男の方針でした。だから私は今ここにいる。あの音源は、もう奏でないでしょう。それが大好きな人類を滅ぼす事に繋がるのであれば、尚更です…どんなお人も、あの音の前では無力だったんです。あるお人は首が吹き飛び、あるお人は精神に異常を来たし…無事だった人は、一人もいません。でも、私は己の間違いに気が付きました。ある意味では、あなたと同じ。ウツさん、あなたは私を否定する事は出来ないんですよ。そしてそれは、ウツさんを拒絶せずに受け入れたあなた達もです」

最後の言葉には、鬱と言う人物を嘲笑するかのような響きを込めて。それは淡々と言い放った。
同時に、累が膝から崩れる。

「ち…違う。違う違う違う、僕は違う、僕じゃない、僕じゃない…僕じゃあらへんっ!!」
「うわっ…!?」

突然叫んだ累は、昨日のように鏡を召喚し、そのままその中へと消えて行った。

「…同情を覚えますよ。順風満帆だった人生を、一瞬で壊されたあなたには…されど私もあなたも人殺し。何人どころか、何百人殺したでしょうか?覚えていませんが、きっとあなたも同じように…被害者達への追悼は、毎日してるんでしょうね…」

【「人殺し」】