�将�.Strange Phenomenon In The Dark Night ページ13
深夜のE組の校舎には、当然だが誰もいない。本校舎は警備員が見回りをするが、エンドのE組と呼ばれるこの場所には、誰もいない。殺せんせーでさえ、人間の振りをしてアパートを借りているから。しかし、今日だけは違う。妙な胸騒ぎを覚えた殺せんせーは、何時もリアルタイムで見る程楽しみにしているTV番組の録画予約をして、校舎にやってきた。
「にゅ…誰もいない筈なんですけどね……嫌な予感とは違う何かを感じますし……」
マッハ20らしくない、ゆったりとした足取りで、殺せんせーは職員室の扉を開ける。そこは何時もの職員室で、変わった事は何もなかった。
次に、空き教室を見て回る。何年も使われていないのを実感させるように、埃が積もっていた。気になるものは何もない。
何時も使っている教室に入る。教卓に、生徒達の机と律の本体、殺せんせーが気付かぬ間に拾っていたマネキンがあるだけで何もない。
「やっぱり、何もありませんよね…あ、そう言えば、音楽室だったところは確認し忘れてしまったような……」
帰ろうとしたところに、ふと思い出した元音楽室の存在。マッハ20で飛んで帰れば、録画予約を入れた番組もリアルタイムで見られるだろうと、足を速めて音楽室だったその教室の扉を開ける。予想通り、そこには昔使っていたとされる、古めかしいピアノがあるだけだった。
「え、最近、誰かが使った…んですかね?」
しかし、埃が目立つ教室の中で、ピアノと楽譜台、その他の楽器等音楽に関係のあるものは、鏡のようにピカピカに磨かれていて、殺せんせーは驚きを隠せなかった。その時、あるものが目に留まる。
「お、おば、おば、おばけえええええええ!!」
マッハ20で校舎を飛び出した殺せんせーが音楽室で見たのは、雑巾で黒板を掃除したり箒で床を掃いたりする、宙に浮いた手だった。
【闇夜の怪奇現象】
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作者名：御鏡 | 作成日時：2019年5月20日 8時
