【鬼滅の刃】前世は暗殺者、今世は鬼狩り 其の弐

続き ページ32

『カナヲ、二人でお出かけしよう！』

Aがあの後少し悩んで思い付いたのが、町に行っていつもとは違うものを見せることだった。

普段見ないような物を見れば少しは反応があるだろうという安直な考えである───









────が、今回はこれが正解だった。


カナヲ「…………。」

『あ、あれが気になる？じゃあ行ってみようか。』



カナヲ「…………。」

『はいこれ、気になってたんでしょう？』

カナヲ「…………。」







カナヲ「…………。」

『……何で何も反応をしてないのに私が答えてたのか、気になるんでしょう？』

ずっと気になっていたからか、はたまた今日一日で何か変化があったのか、普段は一切反応しなかったカナヲがコクリ、と頷く。

Aは始めてカナヲがちゃんとした反応を見せたのを見て、面の下で少し微笑んだ。

『カナヲは、自分には感情や意志が無い、って思ってるんでしょう？

でも、カナヲはそれが分かりにくいだけで、本当はちゃんと何かを感じてるし、思ってるんだよ。

今日私が答えられたのは、カナヲが無意識に思ってたことが表情や視線に出てたから、それを読み取っていたからだよ。』

カナヲ「…………。」

『カナヲが思ったことを表に出すのは、今はまだ難しいかもしれない。

これからも僕はカナヲの思ってることとかを読み取って、答えるよ。

……でも、きっといつか、少しずつでもいいから、カナヲの言葉で思ったことを伝えて欲しいな？』

カナヲ「…………。」

『………じゃあ、そろそろ帰ろうか。』









後日────



『カナヲ、おいしい？』

カナヲ「…………。」

『そっか、おいしかったならよかった！』





有一郎「会話、してるのか………？」

無一郎「………なんで分かるんだろう。」


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Aとカナヲが、少しだけ仲良く(？)なった話

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