【鬼滅の刃】前世は暗殺者、今世は鬼狩り

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目の前の鬼が塵となり消えていくのを確認した後、父さんの手当てをする。といっても持ち物がほとんど無いから、申し訳程度の応急処置しかできないけど。

周りの操られていた鬼は、さっき毒針を投げて刺したからすでにいない。村人は操られていた影響か知らないけど、全員気を失って倒れたみたいだ。




槇寿郎「A、さっきのは………」

父さんが聞きたいのは恐らく、横を通り過ぎたときにかけた″完全隠密(コンプリート･ステルス)″のことと、毒針のことだろう。


『父さん………いや、煉獄槇寿郎さん。私は今まで、あなた方に黙っていたことがあります──────』





それからは、私の【アビリティ】のこと、暗殺者をやっていたこと、そしてその名残で暗器を持ち歩いていることを話した。

前世の話をするのはためらったけど、【アビリティ】と暗殺者だったことを話すためには前世の話もしなければならないから。

流石に前世の詳しい話はしていない。最低限の情報だけを伝えた。



槇寿郎「…………前世？、血鬼術のような力？

Aが、人を、殺していた………？」

今まで家族みたいに接していた人が転生者で、変な力を持っていて、人殺しをしていた。なんて聞かされても、混乱するし信じられないよね。



………こんなのが家族だなんて、嫌だよね。


『………もうすぐ隠の方がいらっしゃるはずです。あとの処置などは、隠の方々にお任せします。』


だから、


『今まであなた方ご家族に黙っていたこと、申し訳なく思っております。

しかし人殺し(こんな私)を、知らなかったとはいえ家族として接して下さったこと、とても感謝しています。あなた方と過ごした日々は、暗殺者(わたし)にとっては、得がたい宝のようなものでした。




…………今まで、お世話になりました。』





さようなら、私の家族(宝物)。

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