【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ4)

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第３３６話　師匠ページ4

チェン「師匠、ただいま戻りました！」

？「帰ったか…チェン」

チェン「俺の友達を連れてきました
俺が未熟で攫われたときに助けてくれた恩人だ」

？「そうか、チェンが世話になった
ここ、餓狼院の当主のシェン・クーだ」

長い袖を合わせては頭を下げたシェン・クーさん
それぞれ挨拶を交わした
チェンは院の中を案内するという

シェン「どうだ、チェンは…」

あ「どうだと聞かれても…武術の腕は確かなものですよ」

シェン「…あれでも甥でな」

あ「甥なんですか…」

シェン「厳しく教えた、それがあいつのためになると…
あいつは攫われた時何をしていたか聞いたか？」

あ「え…寝ていたらって…」

シェン「ハハハ！寝ていたか笑
…あいつは寝てなんかない
あいつは逃げたんだよ、ここからな」

あ「逃げた…辛くてですか…？」

シェン「それもあるだろうな
俺の教えは厳しいものだった
中々ついて来れるものは少なくてな、あいつはついて行けないほうだった
あいつはここから逃げ出した
その先で科学者に捕まったみたいだけどな…」

あ「…」

チェン「おいおい、師匠
勝手に話すなよ…」

あ「あれ、チェン
ナユタと杏を案内してたんじゃ？」

チェン「教え子たちに任せてしまった
師匠がいないんで、余計なことはなされそうと思って
来てみて正解だ」

シェン「余計ではないだろ、恩人だろう」

チェン「それでもだよ…
まぁ寝てたのは嘘だよ、逃げ出した
だって、武術だけがすべてじゃないだろう？
俺は外の世界が知りたかった
武術以外に自分に見合うことがあるんじゃないかってな
でも、現実は甘くなかった
俺は攫われて実験体にされそうになった
そこにあんたらが来たんだ」

あ「クロウとの出会いが最初でしょ」

チェン「あいつは俺を見つけるなり
真っ先に体の心配してきたな
実験は去れてないっていうと安心してた
クロウって名乗って、一度逃げた時に武器庫を見つけた」

あ「なるほどね、武器庫の場所を把握しているのに
納得いかなかったけどそういうことね」

チェン「でも、あんたらと一緒にいてわかった
あんたらには目的がある
だから俺も向き合わないといけないなと思った
悪かったな、師匠と一緒にユーバに行くって言ってたのに
結局は俺の修行自体が終わりになってからで」

あ「いいや、気にしてない
向き合えたようで安心したよ」

シェン「それと…チェン
ヒーナじゃなくてシーナな」

チェン「それはもういいだろぉ！」