【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ28)

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第３６０話　影の来訪者ページ28

彼はほっとけないのだろう
人情にあふれて優しいからだ
自分がしたことに落とし前をつけるところは
流石、盗賊の頭であっただけある

澄み山はやがて光を失い始めてきた
真っ赤に輝く夕陽が姿を見せ始めた
私たちがいつも見る景色だ
遮るものなく一番に目に映る…

それを見てはいけないと思い、顔を反らして
後ろを向いた
影が伸びていく……

すると、ふと自分の影の胸のあたりがきらりと光った
それを掴むと影の中から手が出てきて
私はそれに引っ張られて影の中に…
それに気づくものはおらず
なぜかは…銀朱も、時雨もすでに

夕陽に魅入られていたからだ

・

あ「…影の中か…誰、私を引っ張ったのは…」

足元には黒い手が写る紋章が刻まれている
すると、前の方から黒いのに包まれて出てきたのは
一人の女の子だった
白いワンピースに白髪の長髪をした人
背は少し高く、可愛いより美人に近い外見

「いきなり呼んで悪かったな
私は、五元族のユティーナ
ユティとでも呼んでくれ」

あ「えーと…なんで君は私の影の中に…？
君が私を？」

ユティ「あぁ、私が引っ張った
お前自身の影の中でな」

あ「なぜ…？私に何の用…？」

ユティ「お前に力を渡しに来た！」

あ「…面倒そうだね
断ることhユティ「却下だ」はぁ…」

ユティ「急に面倒だのと…力だぞ？
欲しい物ではないのか？
人間はすぐに力を欲しがると思っていたが…
とにかく…お前はこれから戦うべき相手に
対抗する力をやると言ってるんだ」

あ「これからの敵…？
科学者の事？ブレスレットに何かある訳？」

ユティ「敵はな、種族になれる敵だ
変わったやつも多い化け物ぞろい！
それを、お前の持ち前の魔力だけじゃ
奴らにはぜーんぜん勝てん」

あ「だからと言って、なんであなたが…？」

ユティ「元々はあいつらの仲間だ
だが、つまらなくてな…暇だったので逃げた
そしたら、面白そうな奴がいてな興味を引かれた
ついでに持ってきたこのブレスレットたちも
有効活用してやろうと思ってな！
それに興味が湧いたのはお前が神の生まれ変わりの所だ
そんな奴、今までに見たことがない
異例中の異例だ！ついて行くのも悪くない！」

あ「要は…からかいがいのある奴
自身が暇だから力を渡しに？」

ユティ「ご名答！お前間抜け手相で心配したが
信念もあれば勘も思ってたより鋭い
なぁ、ユティと組まぬか？
きっと奴らの間抜け顔を拝めそうなんだ！
キシシ…！」