【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ27)

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第３５９話　あいつの師匠だからページ27

銀朱「アルマ…！
今助けてやるからな…」

あ「…」

この銀朱の感じで私はなんとなくだが
彼自身、突っ走るような…そんな気がしていた
それはのちに当たることになる…

銀朱「澄み山から見える夕陽が綺麗だと…」

時雨「そういってたな、だから今ここに居る
なぁ、あんたの考えは夕日にわざと魅入られて
黄昏族の所に行って助ける、だろ？」

銀朱「それしかないだろうっ」

その時、時雨が銀朱をひっぱたいた
乾いた音がそこに響く
銀朱は驚いたのか声すらでなかった

あ「時雨…」

時雨「あんた…考えをまとめろよ！
もっと頭を動かせ！
今のあんたは感情のまま行動を起こしてる！」

銀朱「…アルマはな…俺を慕ってくれた弟子だ！
力がつかなかったとしてもあいつは俺の弟子だから！
師匠である俺があいつを…！」

時雨「…っ…師匠…」

あ「…」

時雨が思い出していたのは
かつてラルク族の村でともに日々を過ごし
力や稽古を教えてもらっていた師匠がいた
名はザクロ…
しかし、ある日、村を襲った災厄により
ザクロは時雨を守るために命を懸けて亡くなった

時雨「…俺にも師匠がいた
お前とは立場が逆だが
弟子であるから役に立ちたかったんだ
今、あんたの立場なら俺も同じことをした
だけど！このままじゃ何も救えないんだよ
力だけじゃ！かなわないこともあるって
俺は…知ってしまったから…」

銀朱「時雨…」

あ「銀朱、弟子だからそこまでするの？
気持ちは分かるよ、でも過保護すぎない？
力がないから助けなきゃって
力はなくても、助かることだってあるよ
力だけがすべてじゃない、アルマはきっと大丈夫だと思う」

銀朱「…俺は…昔、アルマを手にかけたことがある」

時雨「は…？」

銀朱「俺がまだ未熟だった時に
夜手の力を暴走させて暴れた
俺が正気を取り戻した時には
あいつの首に夜手で手をかけていた
返事がなくて、俺はこいつを殺してしまったと思った
実際は生きていて、一命をとりとめることができたが…」

あ「…アルマはそのこと知ってるの？」

銀朱はそれを聞いて首を横に振る
知らないさ、暴走時は闇に前身が呑まれる
顔の判別なんてできないさ
そういって悲しそうな顔をした

時雨「それで、お前は償いとして
あいつを守ろうとしてるのか…」

あ「…」