【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ22)

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第３５４話　黄昏族と夜手の少年編ページ22

ある日、銀朱は一つの本を読んでいた
三人席であるこの場所はカフェで
朽葉とキットが座っている
雑誌を読む朽葉に
大きなパンケーキを幸せそうに食べているのはキットだ

朽葉「…銀朱さん、何か興味の引かれることがあるんですか？」

銀朱「なんじゃ急に」

朽葉「ずっと見てるので
昔の写真のようですね」

銀朱「あぁ、夜手族のな
にしても、よくわかったな？」

朽葉「…だって、写ってる服には夜手族の紋章
月と手の模様がありますし
影は部分的に揺れてます
これは夜手の特徴の一つです
銀朱さんの影も時々揺れてますし」

銀朱「流石の洞察力だな、朽葉は…
そうこれは俺がいた夜手族の村の皆だ
しかし、俺には最近心残りがあることを思い出したんだ」

朽葉「それは…？」

銀朱「村にいた時、俺を慕ってくれた少年がいた
そいつはアルマと言ってな
アルマは鍛錬には手を抜かずに己の力を高めていた
しかし、人によりそれは実にならないときがある」

朽葉「努力が報われてなかったんですね…」

銀朱「アルマは泣いていた
自分がどれだけ頑張っても力が強くなることはないんだと
俺はそれに何も言ってあげれずに村を離れた」

朽葉「銀朱さん…」

銀朱「さて、暗い話はここまでだ
仕事を始めるぞ、キットそれで終わりだからな」

キット「ええ！まだ食べ足りない！」

銀朱「ガキだのぅ…何杯食べてるのと思ってるんだ」

キット「三杯！」

朽葉「食べすぎです！
何時からそんな甘党に…！」

キット「なんか吹っ切れたんだよねぇ…
つきものが落ちた感じ？
ねぇ後一杯だめ？」

銀朱「いい加減にしないと虫歯になるぞ
流石にやめておけ」

キット「はーい」

銀朱が受けた依頼の中に妙な件が混ざっていた
それは夕日がきれいだとつぶやいたものが消えているという
何故そんなことを？
奇妙と思い、研究所にやってきたのだった

シノ「夕日が綺麗だと思って消えてく人達ねぇ…
んー…夕日ということは夕方に動きを活発化させる種族…
うう、多すぎてわからないや」

タミル「んー…黄昏族とか？」

あ「その黄昏族ってのは？」

タミル「黄昏族は夕日や陽が沈む夕方のことを
別名で黄昏って言うんだよ
つまりは夕方に力を使って活発化になる
まぁ、夜以外にも動けるけど
主に強くなり、活発化になるのは黄昏族だよ」

あ「なるほどね…」