【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ17)

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第３４９話　暗いキットの話ページ17

キット「どう？これが僕だよ
今はあいつの血で染まってるけど
それ以外では依頼先で少しづつ染めてた」

クロウ「…カツキの奴は」

キット「…あぁ、あれ？
いい人だったよ？
僕の種族のことは話していないけど
盗賊は血も得れるし、いい所だったけど
クロウ兄ちゃんたちが来ちゃったから変わっちゃった
潮時だと持って、カツキを殺そうとしたのに
時雨さんに羽切られちゃったし…台無しだよ」

クロウ「…キット」

キット「カツキの最後、すっごいビビってて本当に面白かったよ」

クロウ「言いたいのはそれだけか」

キット「…そう、これでぜーんぶ…かな？」

クロウ「……じゃあ俺の前から消えてくれ」

あ「クロウ！」

クロウ「お前の顔は見たくない、幻滅した」

クロウは背を向けてドアを開けて出て行った
チェンもそこから立ち去って行った
気まずいと思ったのだろう…

キット「…」

あ「キット、本当は嫌われたくないんでしょ」

キット「Aさんが言わなければ…
それに、そんなこと…はは…無いって」

あ「顔に出てる、嫌われたくないって
クロウは優しいからさ…
ねぇ聞いていい、君は孤児だったって聞いたけど…」

キット「…それは本当、村の近くの川で拾われた
拾ったあいつらはクズみたいな奴らだった
物心ついたとき、あいつらは僕を使用人のようにこき使い始めた
その時かな…本で朱翼族を知ったのは…」

あ「自分がそれだって気づいたんだ…」

キット「…僕は気が付いたらあいつらを殺してた
血で染まった赤色の羽根が僕から出ていて
その時、染まった血のせいか
すごく…息をしているように清々しかった…」

あ「…」

こういう話を聞いたのはローリエ以来だな…
ローリエは元々おっとりとした性格ではなかった
残忍で卑劣な女で、彼女は屋敷のメイド、執事を
全員をその場で殺害しては、血だまりで笑っていた
狂気じみていたその性格を封じようと
機械のおかげか、記憶をすべて初期化して現在に至る

あ「…キット、クロウも…孤児なんだよ」

キット「え…」

あ「クロウから直接聞いたわけじゃないんだけど…
彼にはきっと弟がいたと思う
親の話とか聞いたことないから…」

キット「…クロウ兄ちゃん…でも、僕はもう…」

あ「弟のように構ってたクロウが簡単に見捨てたりしないと思う…
君を大事に思ってるからこそまだ向き合えないんだ」

キット「…知られたくなかった…でも、朱翼族はこうしないといけないんだ…」