【オリジナル】アースラルジュ８ (ページ13)

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第３４５話　怯える神、その翼を血で染めた者ページ13

その声は子供の声だがどこか影のある声…
声の主はキットだった
背中からは赤い翼がはためかせる…

キットの種族はなんだったかお忘れではないだろうか？
彼は朱翼族…。
天使がかつて翼を血に染めたことからつけられた
血の翼を持つ種族だ

髪はその姿を見て驚き、怯えた
自分には関係ない、自分は酷くなんかない…
永遠と呟きそうだ…

キット｢朱翼族がなんで生まれたか知ってる？
それは、知人を怒り任せに殺したからさ
返り血が翼について赤く染まり、そこから血のついた天使
血の羽を持つもの、そう言われた
神と天使はかつては知人であった
知人という表現をしてるけど本当は
神を殺したのさ、天使が持つその輪っかでね｣

あ｢きっキット…？｣

神｢ひっ！｣

キット｢首を絞めた後にナイフでメッタ刺し
そう、知人を殺す…それは、神を殺す種族さ
君はそれをよーく知ってるだから
酷く怯えるんだ
僕達、朱翼族には雷も効かないからね｣

神｢くっ来るな！！｣

キット｢殺されるってことはそいつ
残忍で軽蔑的で、クズだ
実に愚かだねぇ…｣

神はその場から逃げようと上へと飛んでいく
そこにキットが翼を動かして神に向けると
翼から赤いトゲが飛び出した
10本以上のトゲが神に突き刺さった

Aはキットを見て、これがキットなのか…？
全てを疑った…

キット｢…ふふ…｣

あ｢キット…だよね？
種族はもしかして埋められたものだったの？
だとしたら早く引き剥がさないと…
中の種族に乗っ取られかけてる！｣

キット｢……Aさん、僕は……
元からこういう性格だよ？｣

あ｢！｣

キット｢驚いた？朱翼族はみんな残忍なんだ｣

キットはそう言って私の前までくる
自分の口元に手を持っていっては指を立てる
その姿は子供ながら色気を感じる

キット｢今僕のことわかるの、Aさんしかいないから
僕のこと黙ってて？｣

あ｢…｣

キット｢バレたらみんな台無しでしょ
クロウ兄ちゃんに嫌われるの嫌だからさ
あーあ…僕に……記憶が消せる力があればなぁ…｣

最後だけ低い声で言うキット
子供とは思えないその姿に少し怒りが湧いてくる
それは今まで騙していたことだ

あ｢…キット、記憶を消せる力あれば良かったねぇ〜？
でも、人の記憶はちゃんと体に残るんだよ
人は簡単に忘れられない｣

キット｢偉そうに言うね、ねぇ
君もあいつみたいに血で翼を染めてみる？｣

あ｢…はっ、やれるものならやってみなさいよ｣