第293話 お婆さんは… ページ9
あ「ということで山の異変を直すことができたのでご報告します」
「本当助かったわ、山の黒いのが消えて
さわやかな風が山から来るのが分かるの…
ありがとう」
あ「いえいえ…」
それを遠目から眺めていた
時雨とトーマと呉羽
ヤヨイとタミルはこの頃、研究をしてなかったせいか
そろそろ真面目に集中したいと
シノと共にまた本を探って読み始めたのだった
時雨「なぁ、あのおばあちゃんさ
山について妙に関心があるよな」
呉羽「それほど、山を大切にしているご老人なのでは?」
?「そういうことで気になったので調べてみました」
時雨「!? おう、朽葉…」
朽葉「あのご老人、やはりただものではなさそうですよ」
トーマ「ん? どういうことだよ」
朽葉「…あのご老人…元風巫女ですよ」
時雨・呉羽「……はぁ!?」
あ「…あのバカ二人…
薄々分かっていたんですけど…」
「いいのよ、私は昔に塔に山を下りた身だからね
それでも、あの山の黒いよどみには気になって仕方なくて
仕方なくて…気づいたら戻ってきていたのよね…」
あ「忘れられなかったんですね…」
「ええ…どうしても故郷に何かがあると気になるのよ
特に今回のは規模が違ったのよ…
なんだかとても不吉な気がしてならなかったから…」
あ「…」
そうだ、ウミは多分、リクに飲まれたんだと思う…
ウミが唯一の道だと思っていたのに…
そしたら、どうすればリクを止めようか
方法はまた行き詰ってしまった…
あ「…ウミはもういない…なら
どうすれば…」
「何か困っているのならそれに聞けばいいと思うわ」
あ「…え?」
「古くからの言い伝えよ
『空には街があって、大事な物が時を待ってる』って」
あ「そんな言い伝え…あったけ…」
トーマ「なんか聞いたことあるような…
確か、本でそんなのを見た気がするんだが…」
「よく探してみることね…
じゃ、私は帰るわね
はいこれお金」
呉羽「あっどうもです…」
「それじゃあね
また何かあったらお願いするわね」
そう言ってお婆さんはギルドを後にしていった
『空には街があって、大事な物が時を待ってる』…
この言葉はどうやら古い書物にてそれが乗っていた
それを教えてくれたのがトーマだった
あ「ねぇトーマ」
トーマ「なんですか?」
あ「最近、シノと居ないね?」
トーマ「あ? まぁね…」
あ「…喧嘩でもした?」
トーマ「ん? してないよ
あいつとは普通だよ」
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