第298話 空の街 ページ14
シブキ「そりゃ怒るだろ!
姫さん! 訳のわからないこといってるこいつの言うこと聞いて!」
あ「こら、そんなこと言わない」
モッシュ「僕は何一つ狂っちゃいないぞ!
歯車が外れていないからな!」
あ「モッシュ、私を探していたみたいだけど
何故、私が必要なの?」
モッシュ「空の街はエネルギー不足なんだ!
僕が必要としてるものもそのせいでとれない!
約束したのに…」
あ「約束…」
シブキ「ふーん…誰と約束したって言うんだよ、機械の癖に」
モッシュ「機械をなめるなよ!」
シブキ「痛っ!?」
モッシュ「あはは、ビリビリするだろう!」
シブキ「…っ…何してくれてんだゴラァ!」
あ「ここで争わないでくれますか…」
シブキ「すいません…」
モッシュはベッドからやっと降りると
私のスカートをぐいぐいと引っ張る
早く早く!と急かす彼に私は困惑を隠せなかった
空の街…彼ら機械族がすむ街が空にあるなんて話は今まで聞いたことがなかった
いや、聞いたことがなかったのも無理はなかったんだ
シノ「空に大きな街?
そんなの聞いたことはないけどな…ヤヨイは?」
ヤヨイ「確かね、俺のじいさんが空の街がどうのっていってたことあったな
でも、そのときお酒飲んでたし、幻覚でも見たんだと思って流したんだよな〜」
モッシュ「空に街はある、人間はすぐにないと決めつける
見たことないからそういうんだ」
ヤヨイ「じゃあ見えるようにしてくれないのはなんでなんだよ」
モッシュ「そっそれは…エネルギー不足だからだ」
シノ「そのエネルギーは魔力で補給されるんだよね
それっていつの時代の話なの…」
モッシュ「何をいってるんだ…お前らにだって魔力が…
あれ…なんでないんだ?」
シノ「モッシュ、私たちアースラルジュにすむ人間にはもう
体の中に魔力を持たないんだよ
魔力があったのは50年以上も前の話
今の老人にさえも魔力は衰えて消えてしまってるの」
モッシュ「そんな…じゃあ、なんでお前にはあるんだ!」
あ「私はここで生まれたんじゃなくて、あの大きな壁の向こうにある
もう一つの世界のプロメタから来たから
私にも、そこにいる時雨も、呉羽にも魔力があるの」
モッシュ「本当だ! 他にもいたんだな!
これでエネルギーもなんとかなるぞ!
ようやく…ようやく約束が果たせるぞ…
ソラナベル…」
ソラナベル…彼は確かにそう名前を呟いた
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