【オリジナル】アースラルジュ７ (ページ12)

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第２９６話　姫さんのおかげページ12

あ「本当に行くの…？」

時雨「お前、研究はどうするんだよ！
お前が一番意欲だったじゃないのか！」

トーマ「俺がわざわざ研究をやらなくても
タミルにヤヨイがやるだろ
それに、シノがいる
それでできる」

天道「トーマ、君の意見次第だ
私は無理やり君を連れて行きたくはないんだ
正直に言ってくれ、本当に行くんだな…？」

トーマ「…あぁ」

その日の昼間にも、トーマは天道さんと共に遠くへと
旅立ってしまった
あまりのことだったが、シノは知っていたという
シノがこれからトーマがやりたかったことをする
私はとやかく言う気はなかった
彼が決めたこと、私たちがどうこう言ったところで
彼が石を曲げることはないと思うから

あ「知ってた…？」

シブキ「まぁね」

あ「なんで言わなかったのさ…」

シブキ「昨日だし、それ知ったの…
それにさ、姫さんなんか言うだろ」

あ「…」

シブキ「…俺だって少しは成長したんだよ
でも、それは姫さんに会ってからなんだ
姫さん…いや、Aにあったから俺は
少しだけ変われてきてる！」

あ「…そっか」

シブキ「ありがとうな！姫さん」

あ「変わろうとしてるのはシブキなんだ
私じゃないよ」

話をしてる私達の目の前では
研究員である、シノ、タミル、ヤヨイが
青い薔薇についてのことと
トーマ自身が残した手記に目を通していた

ギルドへの依頼はあったが
今日はいつもより少なくて
一人のお客さんはあの研究員の人はいないの？と聞いてきた
私は彼は出張に行きましたと伝えると
あら、残念ねと会いたかったのにと言って
出したお茶を飲んで少し話をした後帰って行った
トーマは意外と来る人に覚えられていたんだなと思った

そしてまた朝が来る
彼がここに居なくても朝は来るし、夜は来る
目を覚ましてもいつもの部屋といつもの光…
いつもの……機械？

あ「…えーと…機械…？」

？「…ギギギ…」

あ「えーと…なんで私のベッドに機械が…？
昨日は何もしていないし、そもそも
昨日にはこんなものはなかったし
一体どこかｒ？「ブツブツ、うるさい！」
あっ、はいすいません…ってしゃべった…」

？「僕は空に帰りたいんだ！
手伝え、人間！」

あ「…はっはい…？」

いきなり現れた機械は私に
空に帰りたいとそれだけを私に言った
ベッドの上にいた小さな機械は
「モッシュ・ソラナベル」と名乗ったのだった