第515話 私とヤヨイの話 ページ42
雅司「決めつけないことだ、確定事項じゃないからなぁ
にしてもよく覚えていたね
アドニスの研究していた「鮮血の巨人」
確かにそんな名前のものだった」
あ「アドニス…」
シノ「……内容も覚えてるの…
怖くて…黙っていたんだけど…」
雅司「ん? 言ってごらん」
シノ「…鮮血の巨人…動物、人の血を糧として
周りを…赤くする…」
雅司「…んー…私もそんなに覚えていないんだが…」
あ「…何のために考えたんだろう…?
人の血を吸収して赤くする、需要は何?」
雅司「研究者は需要なんて考えてるものは多くはない
自分がこう生み出せればいいと考えてるものもいる
つまり、利益など気にしてないのさ
どうなろうが、生み出せればいい!
アドニスはそういう人さ」
あ「…」
雅司「さて…私は作業に戻るよ
シノ…嘆くのも結構だが
我々は研究者…打開策はあるんじゃないかい?」
シノ「打開策…?
…なるほどね…敵が強いなら
それに応じて、私たちも上をいかなくてはいけない
魔力を持たない私たちがどうにかできる方法と言えば
やっぱり、種族の力をさらに研究する必要が……ブツブツ」
あ「お…おーいシノ…?
…だめだ、スイッチはいちゃったみたい…
にしても…雅司さんの作業って…何してるんだろうか…?
忙しそうだから行くのはやめておこうかな…」
・
あ「あっ、ヤヨイ!」
ヤヨイ「…おう…!
はぁー…すっかり真っ赤になっちまったなぁ…」
あ「…笑えてないよ、続ける?」
ヤヨイ「…琥珀はすごいよなぁ…
アイドルだからじゃなくて、多分琥珀の性格だろうけど…
こんな状況で笑えてるの…
俺、何回もさっきから笑おうとしてるんだけどさぁ
何故か…笑えなくてさ…
なんだかなぁ…」
あ「…無理に笑わなくてもいいんじゃない?
ヤヨイのいい所ってほかにもあると思うけど」
ヤヨイ「ありがとなぁ〜
…話変わるけどさ、Aって元々神様なんだろ?
…人間のこういうところって何回も見てたりする?」
あ「…うん、見てる
どうして人間は手を取り合えないんだろうって
でも、悪い所だけじゃないよ
諦めが悪かったり、どうにかしようといつも足掻いている
我慢強くて、常に歩き続けようとしてる
…私があこがれ続けた世界」
ヤヨイ「…Aはいい神様だったんだな…
人間が好きだったんだ…嬉しいわ」
あ「諦めが悪い所ってヤヨイも言える」
ヤヨイ「…へへっ、そう俺もあんたも諦め悪いな!」
あ「…もちろん」
第516話 私とタミル、私とトーマの話→←第514話 私とシノの話
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