第434話 蘇りし者 ページ9
黒い渦から飛び出した黒い魂たちは
地面にゆっくりと着地すると人の姿へと化した
それは兵士達やその場にいた人たちを襲っている…
あ「なんなのこいつら!」
時雨「死者だろうな、それも地獄に落とされた」
閻魔「…! まさか貴様、地獄にある力を手にしようとしてるのか!」
レーヴェ「あぁ、その通りだ
あの力があれば俺は王になれる
そしたら、世界を変えれるんだよ」
あ「世界…あなたまさか、あいつらの仲間!」
レーヴェ「あいつらぁ?
ってお前ら、よく見たらあの時船にいた奴らじゃねぇか
見逃して正解だったな」
時雨「…! 彼岸の時の!」
レーヴェ「船に沈めてたのは手っ取り早く
あいつらの魂を俺が頂くためだったんだ
おかげで通行料にはなったな?
さてと…お前がよく知ってるあいつも出てくるな…?」
私の目の前に地面に着いて人型となる黒い魂
それはやがて見覚えのある男の姿に…
メッシュの髪…まさか…まさか…
あ「…リク…?」
時雨「…なっ…なんで……?」
あ「…? 時雨? どうしたの…?」
時雨の目の前にはまた違う男性がいた
腰には刀を付けている…
青い髪に青い瞳…もしかしてラルク族?
時雨「…ザクロ…さん…」
あ「…?」
時雨にとっての恩人なのだろうか…
今まで見たこともない顔をしている
でも、私はリクを相手にしなければ…
時雨「…ザクロさん…俺…は…
……違う、あんたは…ザクロさんじゃない!
ザクロさんはきっと…地獄になんかいないんだよ!」
時雨はそいつと刀を交えて戦い始めた
自分も、リクがこちらに向かってきて黒い魔力を振るう
目を覚まして!と声をかけるが聞いていないようで
相変わらず私に傷をつけようとしてくる…
レーヴェ「はっ、せいぜい戦ってな!!」
レーヴェは地獄の釜の中へと実を投じていった
閻魔はそれを止めようとしたのだが間に合わずに落ちていく…
あ「…リク…あんたはあの時報われたのかと思っていた
だけど、なぜ今も苦しんでいるのか
私にはわからない!」
リク「……」
時雨「っ! 消えろ!」
ザクロ?「っ!!」
時雨がザクロ?の隙をついて
腕を切り飛ばした
それに気を取られたリクを
今度は私がリクに向かって足払いをすると
手を押さえつけた
あ「リク! 思い出して!
君が最後に君を呼んでいた人たちのことを!!」
リク「っ……!!」
――リク――
リク「……母さん…ウミ…」
リクは消えていった
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