第４３２話 イセンＶＳウル ページ7
イセン「本当かしら、雪と解けた水が残っていたみたいだけど
ほかにも仲間がいるんじゃない？
嘘ついたっていいことないわよっ！」
鎌をウルに向けてふるう
そのたび炎が巻き起こる
それをひらひらとよけて後ろに下がるウル
ウル「そうねー、でも私じゃないわ
あれからは見てないわ、本当よ
信じてもらえないのは分かっているけど
私、あなたの事嫌いだから
今ここで始末してあげようかしら！」
ウル自身もどこからか鎌を取り出すと
二つの鎌がキンッっと金属音を立ててぶつかる
舞を踊るように右へ左へと動きながらも
ぶつかり続ける二つの鎌
するとイセンが一歩引いてから鎌を下から振り上げると
そのまま鎌を離して天井に
天井に思いっきり刺さった鎌の持ち手をつかむと
空中で回し蹴りをかました
ウル「っ…！ そんな芸当するのね」
イセン「これも戦術よ
鎌本来の使い方なんてここでは一切しないわ
貴方の魂でも取れば閻魔様に浄化してもらえるのに」
ウル「浄化？ 笑わせないで
浄化されるほど、私は落ちてないわ！」
ウルは手のひらから魂たちを召喚させると
イセンの周りをぐるぐると囲ませた
そこから魂たちは鋭い刃となり
イセンの体を切り裂いていった
イセン「あぁ！！」
ウル「滑稽ね…じゃあね
私はまだやることがあるから…」
イセン「っ…ウ…ル…！！」
勝てなかった
鎌の実力だけじゃ、彼女にはかなわなかった…
弱かったのは私だ…。
イセン「……ヤヨイ…彼を見つけなきゃ…
お願い、魂たち…
彼は…私をあそこから助けてくれた恩人たちの仲間なの…！
あの子たちの手助けがしたいから！」
魂たちはそれにこたえるかのように
多くの数の魂があたりへと散っていった
そのうち、一匹はふわふわとイセンの元を漂った
前のほうへと行ってほしいようだ…
イセン「見つけたのね、仕事が早い事…
分かった…そっちね…」
傷だらけの体を引きずりながら
歩くたびに切り傷が廊下から吹く風に染みてヒリヒリする
時折耐え切れなくて唇をかみしめる
イセン「…はぁ…はぁ…見つけた…！
こっ…これは…！」
見つけたのは大きな氷の塊
その中に眠るように入れられたヤヨイがいた
見つけた魂たちが助け出そうとその周りをぐるぐると回っている…
どこかほんのり赤い…
イセン「どいてて、私の鎌で炎を出す！」
思いっきり振るった鎌はたちまり炎を生み出した
その熱に当てられた氷の塊は
汗を流しながら溶けていった
第４３３話 魂を喰らうもの→←第４３１話 二人がクロだってなっ！！
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