【オリジナル】アースラルジュ１０ (ページ45)

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第４７０話　確かにいたんだ… ページ45

ステラ「さっ最初から言ってぇや！」

あ「え…ごっごめん…」

ユティ「私がそうしていたんだ
そういうことで私はまたここを空ける
Aたちと、ほかの奴らを止めなくてはいけないのでね」

二人は顔を見合わせるとユティに
わかったで、気ぃ付けてなと見送ってくれた
しかし、外は真っ暗
ということで帰るのは明日になった…

琥珀「ねね、A」

あ「ん？何？」

琥珀「私の中にいた狐族なんだけどさ
ここに来たときはすごくうれしそうな気がしてたの
でも、なんでか
もう何も感じなくなっちゃった…」

あ「…そういえば、辛い物
ここに来て食べた時平気だったのに
今日は食べなかったね」

琥珀「うんー…きっとね
中にいた人が…もうだめなんだと思う…」

あ「…遅かったってこと…？」

中に埋められた種族には
残された時間は少ない
埋められている本人にゆかりのあるものに
会う、行く、見るなどをすると
心臓が脈を打つのだという…
琥珀は、それがここに来た時にはあったが
もう、辛い物を食べようとも思わなければ
目の前にユティがふわふわとしながら
寝ているのを見ても、何も反応しないのだという

あ「そっか…」

琥珀「…助けて…あげれなかった…」

あ「…琥珀のせいじゃないよ
陽族の人はどう？」

琥珀「…かろうじては…まだ感じる…のかな
でも、もう時間がない…
帰ったらシノに薬をもらう
出来ていればの話なんだけど…」

作れるようになったとはいえ
一個作るにも限界があるのだ
シノたちはまだ、それを量産できるほどの力はない
だから、間に合わない人たちも現に多くいるのが現状だ…

ユティ「…琥珀、君の中にいたのは……ん？」

あ「どうしたの？」

ユティ「…いたのは…誰だ…？
可笑しい、知っていたはずなんだ…！
なのに…出てこない…！」

あ「…中の人が消えればその人に関する
記憶も存在も消されるって…シノが言ってた気が…」

ユティ「なんだと…？
じゃあ…私は忘れてしまったのか…
琥珀…確かに…確かにその中には私が知っていた人物だったんだ…
…もう何も思い出せないが…
確実に言えるのは……良い奴だったんだ…」

琥珀「…うん…うん…
私もいい人だと思う…ユティがそういうならきっと…」

消えてしまえば、忘れられてしまう
それは死よりも怖い事なのかもしれない…
もし、自分が埋め込まれたもので
皆の記憶から忘れられたら…
私は……すごく心が痛いんだ