【オリジナル】アースラルジュ１０ (ページ4)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:1,905 hit

第４２９話　魂の重さページ4

顔つきを変える
だってこいつからはイセンの香水のにおいがするからだ
会っていたのは間違いないが
匂いが強すぎる…

？「…ふふふ…ほんと…
勘のいい人は嫌いだから消さなきゃね！」

ヤヨイ「あぶねっ！」

魂がまた鋭い矢のように飛んでくる…
それを寸前で避けていく
避けるだけは簡単だったが
途中で止まると向きが変わってきた！

ヤヨイ「っ！うがっ！」

魂が自身の体を通過する
何ともないと思って思わず首を傾げた
なんだったんだ？

？「油断してると危ないわよ？ポップ」

その言葉とともに体内で何かがはじけるような感じがする
痛みを伴う爆弾があちこちでする…！
膝から崩れた

ヤヨイ「うがぁ！うぅ…！
いっいてぇ！」

？「貫かれたものは体内から痛みを生み出す…
それがこの魂が抱えた怨念そのものよ」

ヤヨイ「なにそれ…気味悪いな」

？「！あなたね…魂はそれぞれ人よ
気持ちはそれぞれ違うのよ
それをあなたは気味が悪いって…！
失礼にもほどがあるんじゃないかしら！」

ヤヨイ「じゃあ…！
なんでそこまで魂の事、人の事を知ってて食わせてるんだよ
本当に思ってんなら、レーヴェっていう奴に食わせないだろうが！
解放してやりたいとか思わないわけかよ！
そんなの……笑えるかっての！！」

？「っ！」

ヤヨイ「…やめなよそんなことさ…
自分の気持ちに嘘ついたって
後々痛いだけじゃん」

？「…黙りなさい…もういいわ
何も聞かないし、何も見ないわ……！」

鎌の構え方が変わった途端に雰囲気も変わった
この場が彼女の発する威圧に押しつぶされそうだ
圧がかかっていて空気が重い

ヤヨイはそれをものともせずに向かっていくが
女が鎌を上に振り上げると一瞬にして大きくなる
持ち構えた途端に鎌は大きく横へと振り回された

？「…すべての命宿るものよ
この死者の鎌で引き裂かれるがいい！」

ヤヨイ「っ」

振られた瞬間、ヤヨイは必死にしゃがんだ
少し髪が切れた気がするがそれどころじゃない
いろんなものが崩れ、音がする
気づいたとき、後ろを向くと青ざめた
後ろの廊下からその先の部屋、別の廊下まで
全てが横へとまっすぐに切られていたからだ

思わず、喉が鳴る