【オリジナル】アースラルジュ１０ (ページ28)

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第九章完　第４５３話　人の世の風ページ28

数日寝かされると医者が、もう大丈夫でしょうと言われたので
早速準備をして帰ることになった

十八「なぁ、A
俺もレーゲンルートに入れてくれ！」

十七「何言ってんの！十八兄さん！
冥界から離れるなんてこんな時に何を！」

二十「……行ってこい」

十七「ええ！？」

私たちと連絡手段を確保できれば
レーヴェのことも何かつかめるのではないかと
十八をレーゲンルートに入れることとなった
私も閻魔様の無念を晴らしたいと思うから…

イセン「私も…あの時はまだギルドができてなかったものね
私も入れてくれない？ギルドに」

時雨「お前は渡し守だろ？
いいのかよ、船とか」

イセン「そうね…ねぇ、死神くん」

「はい？」

イセン「船を献上したいのだけどいいかしら？」

「それはいいですけど…
イセン様の船はご覧になりましたが
相当大きな船みたいですが…いいのですか？」

イセン「いいのよ、もう船に乗らないし」

時雨「考え直したらいいじゃねぇの？
聞いたぜ、彼岸族ってあそこまで大きな船を手にするのに
何千人も送らないと手に入らないって」

イセン「そうね、でも船だけがすべてじゃないし
それに、いなくなったウルについて
気になるしねぇ…」

イセンの船は前に絡んできた男に渡された
死神族の人たちが来て驚いたが
イセンからの舟献上を言い渡されると
あんな扱いをした俺に何故！と訴えた

「これはイセン様からの手紙だ」

？「…『船は貴方にあげる
根は優しいことを貴方の友達からよく聞いていたわ
これからはその言動を何とかして
より仕事に励むように』
…あの女…」

「そういうことだ、船はお前の船の所に置いておく
…恵まれたな、アカギリ」

「言動はとにかくお前の仕事ぶりにはこちらも感心してるんだ
これからは鎌の免許も取れよ！」

アカギリ「……あぁ…」

ルシファーに言われたとおりに
船の渡し守に見せると顔色一気に変えて
ささっ！乗ってください！と気前が良かった
貴方…彼に一体何を吹きかけたの…？

冥界から外へと出た…
十八が作り出した空間を抜けると
元いたあの屋根の上に帰ってきた
風が強く吹きかけてきたこの空気感が
妙に落ち着いて、街を見渡した
いつものユーバの町だ…

あ「…帰ってきた…」

時雨「はー！いい空気だな～！」

ヤヨイ「ほんとよ…おじいちゃん大丈夫かな～…
俺！様子見てくるわ
また後でな！」

――人の世はやっぱりとても心地がいい――