姫と貴人の恋物語

２５　　席 ページ28

士門様が１組まで案内してくださり、先生が来たので士門様は先に教室に入った。


１組 朝の会の時間

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り、椅子から立ち上がる音が廊下まで聞こえる。

ここまでくると緊張してきます…


先生「霜菖院楓さん、入ってください。」

先生に言われ中に入ると、さっきよりもざわついた。

先「今日から１組に配属された霜菖院楓さんです。皆さん仲良くしてください。

自己紹介お願いします。」

楓「はい。霜菖院楓です。

皆さんと仲良く、そして時にはライバルとして競い合えたらいいなと思います。

よろしくお願いします。」


「霜菖院って、あの…」「もしかして最近帰ってこられた楓様じゃない…？」という声が

クラスの中から聞こえてくる。


見渡すと士門様がいらしたのでバレない程度に解釈した。


先「えーそれじゃあ、霜菖院さんは…水川さんの隣で。」

指定された席はお日様がいい感じに差し込む窓際の席。水川さんの隣らしい。


その席に座るとなんか注目を浴びる。

楓(これは質問攻めありそうですね…)



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場所が変わり、ここは中庭。

昼休みになり、クラスの人達からの質問攻めから逃げてきた。

楓(こんな私でも、接してくれる人がいるんですね…)

内心喜びつつ、傘下の人が作ってくれたお弁当のふたを開ける。

楓「…美味しそう…！」

思わずそんな言葉が漏れた。すっごい鮮やかな和風弁当。張り切って作られたのが分かる。

楓(ですが…1人は寂しい…)

そう。士門様は午後から仕事があるらしく、帰ってしまったので私1人。

それに…昨日余った和菓子も持ってきてしまったので、ここでは食べきれない。

楓(どうしましょうか…)

私が1人で悩んでいると、

「なに変な顔してんだ？んん？」

後ろの方で聞きなれた声がした。

驚いて振り向くと、そこにいたのは…天馬だった。

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