姫と貴人の恋物語

２２　　クラス発表 ページ25

楓「…んっ……」

目が覚めてまず感じたのは、薬品のにおいがすること。

楓(ここは…保健室ですかね…？)

一応試験を行った場所は青陽院なので、保健室にいると思った。が、

勘「楓ちゃん、大丈夫ッスか？」

寝ている私の目の前に勘久郎様が現れたので、ここは病院だとわかった。

楓「はい。大丈夫…だと思います。」

起き上がろうとするが、体が重い。

勘「無理しなくていいッスよ。多分疲れが残っていると思うッスね〜。」

楓「そう、です…か…」

何とか起き上がり、窓の外を見ると夕方になっていた。

楓(どれほど寝ていたのでしょう…)


すると、

有「やあ楓ちゃん！目が覚めたみたいだね〜☆お疲れ様‼」

なぜか機嫌の良い有馬様が部屋に入ってきた。

登場するときはいつも効果音が付きそうな感じがする。

楓「有馬様、びっくりします。」

有「君も言うようになったね〜☆では早速だが、試験の結果を発表するよ☆」

勘「いきなりッスね。」

目が覚めてからここまでの流れが速い気がする…

楓(この人は嵐のような人ですね…)

有「では楓ちゃん、発表するよ。」

さっきとは違う緊張の空気が一気に部屋を包み込む。

有「君のクラスは………問題なく1組に決まりました〜‼おめでとう！」

私のクラス発表に勝手に盛り上がる有馬様に対し、私はいきなりすぎて、唖然している。

有「あれ？ここは普通喜ぶところなんだけど…」

勘「いきなりすぎるッスよ有馬さん。

楓ちゃんはさっき起きたばかりで疲れも残っているんスよ？頭が追い付かないッスよ〜。」

混乱している私を勘久郎様がサポートしてくれた。

有「そっか。だったらごめんね。

それじゃあ、今日はこの病院で休んで、明日、もう1度青陽院に来てくれないかな。勿論制服で☆」

楓「…承知しました。今日はありがとうございました。」

有「うん。ゆっくり休んでね☆じゃ、お疲れ様〜‼」

と言って有馬様は嵐のように去って行った。

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