大嫌いって言わないで５

お目覚め ページ12

翌日

目を覚ましたAさんは、『よく寝たな』と思いながら目を擦っていると

なんとなく違和感を感じました。


｢ん？｣

目を擦っていた自分の手を見ると、なんと黒い汚れが。


昨夜の記憶を手繰り寄せて考えていくと

ソファに座って比与太に抱き締められた後からなんとなく記憶がありません。


『もしや』と思い起き上がって寝室を出ると

そのまま洗面所に向かったAさん。


自分の顔を鏡に写してみてみると、そこにはとても酷い状態の自分の顔が写っていました。


｢あぁ。やっちゃったよ｣


自主規制でモザイクのかけられたAさんは

直ぐに服を脱いでシャワーをしにバスルームに入りました。


頭のてっぺんから爪先まで綺麗に洗い流すと、浴室の鏡に自分を写して

モザイクがなくなったことを確認。


｢よしっ｣


自主規制の解かれたAさんは、シャワーを終えて水滴を拭いた体にバスタオルを巻きました。


｢ふぅ〜。さっぱり！｣


仁王立ちで髪を一つにまとめると、バスタオルいっちょのまま洗面所を出ました。


乾いた喉を潤そうとキッチンに向かい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し

その場でお水をゴクゴクと飲み始めました。


｢はぁ〜っ！生き返るーっ！｣


時間は朝の7時。

比与太はまだ起きてこないだろうと、そのままソファに移動して

残りのお水を飲んでいます。


自分の家ではいつもこんな感じのAさん

お風呂での火照りが引けるまでこうしています。


やがてシャワーでの火照りが引けてきたAさんは

スタスタスタと洗面所に行くと、濡れたままの髪を乾かそうとドライヤーをかけ始めました。


良い感じの風量で、気持ちよく鼻唄を歌いながら髪を乾かしていると

やがて髪はすっかり乾いて、Aさんはそれをアップにまとめました。


｢よしっ！｣


そろそろ服を着ようとバスタオルを外した、次の瞬間


ガチャ……

突然洗面所の扉が開き、そこには寝ぼけまなこの比与太の姿がありました。


｢やんっ！！｣


焦ったAさんはとっさに比与太に体を見せないように後ろを向きましたが

プリンとしたケーツーは比与太に丸見え。


比与太｢おっふっ！！｣


瞬間ぱっちり目が覚めた比与太は

お口を手で覆い、急上昇していく血圧を必死で抑えていました。

Aさんは床に落としたバスタオルを拾い上げると、それを体に巻きました。

しかし

比与太｢急げ！｣

そう叫んだ比与太に、Aさんはその場から連れ去られました。

来たか山田編１→←おやすみ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す