大嫌いって言わないで５

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兄｢んー……うちの両親かぁ？｣

比与太｢……やっぱりその……先輩のお父様だから、怖いっすか？｣


事前リサーチとでも言うのでしょうか


Aさんとの交際も認めてもらい、結婚へスムーズに運べるように

なるべく早めにAさんの両親へ挨拶をしておいた方が良いと考えた比与太


実は平原ルミからのアドバイスでもありました。



兄｢母さんは〜なんつーか〜……ほんわかした明るい人｣

比与太｢そうなんすか？先輩に似てますか？｣

兄｢顔はそんなに似てないかなぁ？俺、じいちゃん似だから｣

比与太｢お父様は？｣

兄｢親父は……でかいよ。｣

比与太｢でかい？｣

兄｢昔ヤンチャだったみたい。遺伝かな？俺、親父の｣

比与太｢い、遺伝……｣


お母さんはまぁ置いといて

お父さんの情報を得た比与太ですが

不安ばかりがつのります。


だってこの先輩のお父様だもの。byみつを



兄｢あ。でも今は凄い朗らかな人だよ。

ボランティアをすすんでするような。

母さんには頭が上がらないし｣

比与太｢……お母様、お強いんですね｣

兄｢っふ(笑)まぁな。会いに行くわけ？うちの親に｣

比与太｢はい。近いうちに。

きちんとご挨拶をして、結婚したいと思っていることも伝えようと思います！

ってか！Aちゃんと一緒に住みたいんです！直ぐに！

それを許可してもらいたくて｣

兄｢ふぅーん。まぁ、結婚前にお試しで一緒に暮らしてみるのも良いかもな｣

比与太｢……。｣


お兄さんはこう言っているものの、比与太の気持ちはお試しなんかではなく

少しでもAさんのそばに居たいというシンプルなもの。


Aさんの良さを沢山知った比与太には

他の誰かがAさんを自分のように好きになられるのが怖いのです。


簡単に気持ちが動くことのないAさんだからこそ

他の人へと気持ちが変わってしまったら、それは本気ということで

もう二度と自分に気持ちが向くことはない。


Aさんを思うと涙が出るほど真っ直ぐな比与太の気持ちは

あなたを好きだからこそ、不安にもなりやすいのかもしれません。


比与太｢よしっ！先ずは仕事頑張りますっ！｣

兄｢頑張れ(笑)｣

比与太｢ういっす！｣


基本、仕事は真面目に取り組む比与太ですが

夜遊びをやめたところから周りの比与太への印象が変わってきたことに

比与太自身まだ気付いてはいません。


必死になってAさんを追いかけ、やっと手にしたものは

もしかしたら、Aさんだけではないのかもしれません

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