大嫌いって言わないで４ (ページ3)

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実はAさん

自分で提案しといて、それから今日までずっと『ご無沙汰』事に悩んでおりました。

ずっと比与太を我慢させていたのは分かっていましたが

付き合ったからと言って直ぐに許すのも

比与太だからこそ『どうなんだろう？』と思っていました。

だからといって、ずっと『待て』をさせとくのも気が引ける。

だってAさんには、比与太が誠実に真面目にAさんを想っているのが良く分かっていたからです。

そこを理解して比与太と過ごしているうちに

段々とAさんも比与太に心を許していった。

それがあっての『今日』なのですが

なんせほぼ３年振りの『ご無沙汰』なので

緊張しない方がおかしい。

ましてや相手は百戦錬磨だった比与太です

昨夜はどうしたって眠れず、緊張で。

眠くなるまでマンガでも読もうとページを開いたら

そこからはガッツリ完結まで読みきってしまったのでした。

寝不足の為、目覚ましも無意識で止めてしまい

気付いたら約束の時間３０分前。

慌てて比与太に電話をかけてみれば

まさかの自宅前。

パジャマに素っぴんも気にせず、比与太を部屋にあげたのでした。

そして今

｢比与太？おーい｣

上から着替えて降りてくると、比与太はバネのようにシュッと立ち上がり

Aさんの姿を見てなんとも言えない顔のまま固まっています。

Aさんが比与太の目の前で手を降って呼んでいると

固まっていた比与太がピクッと動きました。

比与太｢Aちゃん・・・｣

｢ん？お待たせ｣

そう返事をし、Aさんがパチリと瞬きをした時でした

比与太はぎゅうっとAさんを抱きしめました。

｢比与太？｣

比与太｢初めて。Aちゃんの部屋に入ったの。｣

｢あぁ、そっか。そうだったね｣

比与太｢なんか感動する。・・・そっかぁ

ここがAちゃんの部屋なんだね｣

｢うん(笑)そうだよ｣

どうして抱きしめられながら話しているのだろう？と

多少の疑問はあるものの

Aさんはそのままでいました。

比与太｢Aちゃん｣

｢ん？｣

比与太はゆっくりとAさんから離れると

照れたように言いました。

比与太｢Aちゃんの部屋に、また来ても良い？｣

｢へっ？良いけど・・・狭いよ？｣

比与太｢全然大丈夫。｣

｢こんなに狭いのに？｣

比与太｢狭くて良いのっ｣

｢？｣

Aさんには理解出来てないみたいですが

比与太はとても嬉しそうです。

そして比与太はAさんにゆっくり近づきました