守るもの (ページ5)

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EP5 ページ5

「それでは、失礼いたします」

『あぁ、明日もよろしく頼む』

1日の雑務を終え、ようやく1人の時間ができたAは、静かな夜の中で昼間の出来事を思い返していた。

『やはり一度、腹を割って父上と話すしかあるまいな』

このまま1人考え込んでいても何も変わらない。

父上の神話贔屓、争い嫌いは目に余る。
多くの民が、今この時も命の危険にさらされているかもしれないのだ。
祈れば叶うなど頭がお花畑の考えを、今こそ改めていただかなくては…

そう思い、足早に父上の寝所へ向かった

『…おかしいな、さすがに警備兵の数が少なすぎる。夜だからといって、客人も多く来ているこの時期に不用心すぎやしないか？このことも進言しなくては』

ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ
『父上、夜分に申し訳ない。Aです』

……。

『父上？入りますよ？』

ｶﾞﾁｬ

『っ！？』

目の前に広がるのは血

そして刀を持つ……

スウォン

ス「おや、見られてしまいましたか」

『スウォン…お前っ！』

ス「できれば今は会いたくなかった。ですがちょうどいい機会ですね」

な…にが起こっているのだ

いつも笑顔の絶えないスウォンが、絶望の闇を映し出したかのような目をしてこちらを見ている。

目が回りそうな現実を前に、必死に正気を保ち頭を動かす。

スウォンがなぜこのような行動に出たのか
突発的なことか？いや、警備の兵が少なかったことから計画性があり、協力者もいるということが推測される
…今すべきことは父上の死を悲しむことではない。

『私は…』ケ「失礼いたします。スウォン様、こちらは首尾よく運び…A様、いらしてたのですか」

『ケイシュクっ…お前も共犯者か』

ケ「…スウォン様、A様も殺して差し上げましょう。その方が今後の国取りも滞りなく進みます」

『国取りだと？スウォン、貴様この国の王になるつもりなのか？』

ス「…このままイル王に任せていれば、高華は滅んでしまう。私はそれを止めなければならない」

『！？』

もしや、スウォンも私と同じような考えを持っていたのか？
ならば

『ならば、お前がこれから成そうとしてる事、考えているこの国の未来を聞かせてもらおうか。どうせ殺されるなら、冥土の土産一つくらいもらってもよかろう？』

ス「…わかりました」

ケ「スウォン様！？」

ス「話をするだけですから。場所を移しましょうか」

『あぁ…』ヨ「姉…様？？？」

ヨナっ！？