守るもの (ページ11)

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EP11 ページ11

いつだっただろう

遠い昔、まだ幼かった私は

よく1人で泣いていた

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ｸﾞｽｯｸﾞｽｯﾋｯｸ

ス「あ、いたいた。またこんな所で1人で泣いて、どうしたんです？」

『スウォン…ｸﾞｽｯ』

人前で泣くことが苦手だった私は
辛いこと、悲しいことがあると城の色々なところに隠れて泣いていた

誰にも見つからないと思ってた

でもスウォンだけは、いつも私を見つけた

『1人にしてくれ！今は誰にも会いたくないんだっ』

ス「A、いつも言ってるでしょ？
泣きたい時は私が肩を貸します、話したいことがあるなら私が聞きます。だから、1人で泣かないで？」

『…嫌いにならない？』

ス「なりませんよ！いつも私はAの味方です」

『…父上が、またヨナばかり可愛がるのだ。
緋龍王の生まれ変わりだから、と。
長女なのに城の奥の廟にすら、私は入れてもらえない。
ヨナを守りたい気持ちに嘘はない。
ただふと、何の力もないただの人である私は、いらないのだろうかと思ってしまう。
私が居なくてもヨナさえ居れば国は安泰…』ス「そんなことを言うのはこの口ですかっ」

そう言ってスウォンは、Aの両頬を勢いよく引っ張った

『いたっ！何をする！！』

ス「緋龍王がなんだと言うんです！
そんな昔の人が、何かくれるのですか？違いますよ。
大切なのは、今を生きる人間です。
そしてA、あなたはこの世に産まれてきてくれた、それだけで私はとても嬉しいです！」

『！！！』

ス「ヨナを守るため、誰よりも努力しているのを私は知ってます。
でも、Aはそのままでここに居ていいんです、私が保証します！」

泣いてばかりいる私を励まし、いつも欲しい言葉をくれた

そんなスウォンに、私は素直になれず

『……お前の保証なんていらぬ！』

憎まれ口をたたく

ス「それだけ言えるならもう大丈夫ですね。ほら、帰りましょう！」

それでも、スウォンは私を見捨てなかった

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思えばあの時からスウォンは私を守り、支えてくれていたのだな

ならば今度は

私が支え、守ろうではないか

『謹んで、拝命いたします』

「「「新王陛下、王妃様万歳ーーーー！！！」」」

ム「(いつからあんな瞳をするようになったのか、あの優しい笑顔には、もう会えないのだろうか。
それに…即位に対し不透明なこともある中、こんなに強引な婚姻でよかったのか、2人とも)」