無題 (ページ2)

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「おじいちゃんみたい」

例えば俺が過ごしてきた約20年間がハンバーグやったとしたら、たぶんそれは夢と希望が肉汁として溢れ出てきてたと思う。

付け合せのニンジンも、グリーンピースもコーンも味が染みてくような濃ゆいやつ。
黒い鉄板でじっくり焼き目つけて、熱々でまだ食われへん時はサツマイモのポタージュ啜って。

きっと俺の20年間はそれやった。
詰まりに詰まって、食べるのも勿体ないくらいの代物やったはずやねん。

時間かけながらゆっくり大切に食べててもいつかは終わってまうし、
ほなそのあとのデザート何しよか、とか考えてたら甘酸っぱいもん食いたなんねん。
ここからの人生はきっとデザートなんやと思う。言いたいこと分かる？

「あ、つまみ食いしたやろ！」

特別な言葉もサプライズも無い、そんな毎日の中に当たり前にお前もおって『もっともっと』が増えてくばっかりやったわ。
人間歳とったら欲どーしくなってくねん。覚えとけよ。