すばさん2 ページ8
Gray Side
歩いて約20分、やっと家に着いてそのまま風呂場に直行する。
ゆっくり湯船に浸かりたいけどすばさん待たすのもあれやし、ってことでシャワーだけ。
髪が短くなったから洗うんも乾かすんもすっごい楽。
バレても恥ずかしくない程度にかるーく化粧して、髪の毛もブローして。
ロンTにサロペットにキャップってラフな格好で。
「もしもし、A?準備できた?」
「できたあ」
「なら降りてきてー」
「もう居るんかい早いな」
電話を繋いだまま家を出てエレベーターに乗って、
エントランスを抜けたらすばさんの車。
「お待たせー」
「おー」
そう言うてお互い耳に当てとったケータイをしまう。
「んは、久々に見たわ、すばさんの車(笑)」
「久々に人乗せるわこの車(笑)」
鞄を置くために後部座席を開けると
おいなんで後ろ……って寂しそうに言うから、
「え、や、荷物を置くために」
「……あ、そう…」
「おっちゃん可愛いなあ〜」
「うっさいねんはよ乗れ」
「後ろ?(笑)」
「………………前。」
はいはい可愛い可愛い〜って今度は思うだけ。そろそろほんまに怒られるから(笑)
走り出した車の中は、無言。
たまに流れてる曲を口ずさむくらい。
「……今日、さあ」
「うん」
「カラオケ行くやん、ヒナと」
「……うん?」
「あれ歌ってな、あの、愛をこめて花束を」
片手でハンドル持って、横目でちらっとこっちを見てくる。
「……え、何の予約やねん。」
「へへっ」
「いやへへっちゃうねん、ええけど別に(笑)」
「俺は今日ヒナに言われたで、
『ハナミズキうとてなー!!』って(笑)」
「『うとてなー!!』(笑)
ほんますばさんのハナミズキ好きやな!!(笑)」
あいつ俺のファンやから、てドヤ顔しながら運転する。
あんたのファン同じグループにたくさんおるで。知っとるやろうけど。
「信ちゃん私に何も言うてきてくれへんのやけど」
「お前のファンちゃうからやろ」
「しんどいから今日カラオケ行かへんわ」
「俺の入れたハナミズキお前が歌ったらええやん」
「それや。『すばるうとてよー!!』言わせたろ」
そう叫ぶ信ちゃんが容易に想像が出来て、すばさんと車内でめっちゃ笑った。
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作者名:れい | 作成日時:2017年8月25日 1時