デート？３ ページ46
Gray Side
駅について、改札口で切符を買う。
「原宿駅まで？」
「おん、美容室着いてきて」
「あ、それで半分仕事？」
「……ま、とりあえず美容室」
それなら最初から美容室着いてきてって言うたらええのに。
あれ、でもそれならなんで彼女のふり？
電車に乗り込んで、二人で空いてる席に座った。
「……手は繋いだままなん？」
「……デートやから」
「…………なあ、さっきから一個も目が合えへんねんけど」
「……気のせいちゃう」
「……デートなんやったらもっと目合わせようや」
お仕事やろ、って言うたらばっとこっちに顔を向ける。
「ふは、やっとこっち向いたあ」
「……なんやねん(笑)」
「どんな髪にすんの？」
「あー、……染める」
「えっ金髪？金髪にする！？」
まさかの返答にテンション上がる。
私裕ちんの金髪推しやから。亮ちゃんは黒髪推しとるけど。
「金髪にはせえへんわもう(笑)」
「金髪裕ちん好きやのに……」
「黒髪の俺は好きやないん」
「んー、普通。」
嘘でも好き言うてくれや……って残念がる裕ちん。
「じゃあ裕ちんは黒髪の私と金髪の私どっちが好き？」
「ええ、どっちでもええ」
「なんやねんそれ！もっと私に興味持ってよ！！」
「ちゃうやん、どっちも似合うって意味やん！」
分かれそんぐらい！って逆に怒られた。
分かるかそんなもん！言葉足らへんねん！
「……どっちも好き？」
「普通。」
「……」
「や、そんな悲しそうに見てくんな(笑)
俺も今されてん、お前に。」
「……」
「おい、なんか言えって(笑)」
わざとむすーっとした顔で見つめる。
そのうち本音言うてくれるから(笑)
「……」
「なーあ。Aちゃーん」
「……なに」
「俺、茶髪のA結構好き」
前に役作りで茶髪にしてたやろ、あれめっちゃ可愛かった、
ってまた目を逸らして聞いてないのに早口で教えてくれる。
「……ふは、それ、目え見て言うてくれへんの？」
「や、無理、無理やろ。ほら、降りるで」
繋いだままの手を引っ張って立たせると、こっち向かずに歩き出す。
ううわ耳あっか(笑)
「なら今度金髪にしよ」
「いや茶髪にせえへんのかい」
駅を出て、美容室に向けて歩き出す。
意外と駅から近いところにあって、迷わず入った。
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作者名：れい | 作成日時：2017年8月25日 1時
