突撃訪問２ ページ43
Black Side
昨日の夜、Aの家に行ったら留守で、
ヤスに連絡したら大倉んちに泊まりやって言うてて。
今日の朝イチにAを迎えにきた。
「15分で準備して」
無理なんは分かってるけど、言うてみたらめっちゃ急いで準備を始める。
「Aとどこ行くんー？」
「あ？……まあ、ええとこ(笑)」
「えーこんな朝から？デートすんのー？」
「いやデートちゃうわ」
そう言うたら洗面台の方からデートちゃうんなら行かへん！って叫ばれた。
ええ、デートなら行くんかい。
「デートなん？デートちゃうん？どっち？」
「デートやろ？デートやんなあ？」
「もおお！お前らなんやねん！！
はいはいデート！デートです！
デートやからめっちゃ可愛くして！！」
「！！分かった！めっちゃ可愛くする！」
そう大きな声で返事して、今度は鼻歌が聞こえてくる。
「俺と二人やったら毎回すっぴんやねんけど」
「俺も昨日デートや言うてたけど仕事終わりやったからちょっと崩れとった」
「……なんやねん、なにニヤニヤしてんねん」
「「ブラコン・シスコンやなあ〜(笑)」」
違うわ、って言いながらも内心は、めっちゃ嬉しかったりする。
俺のために今可愛くしてんねんなあって考えたらなんか、こう……可愛いな(笑)
なんてニヤけてたら、Aが出てきた。
「最低限のメイク道具しかないから結局いつも通りにしかなれへんかったあ」
「大丈夫やで〜Aちゃんはすっぴんでも可愛いねんから〜」
「そやで〜Aちゃんは仕事終わりで化粧崩れとっても可愛いねんから〜」
なあ？って俺以上にニヤニヤしとるこいつら。
意味が分からへんって顔で俺を見るA。
……なんやねんこいつら。
「……一回帰る？」
「うん、着替えないから帰る〜」
「ん、じゃこいつ借りてくわ、行くで」
「え、うん、ほんなまた！仕事がんばって！」
Aの荷物持って、先に大倉んち出る。
エレベーターのボタン押して待ってると、ちょうどエレベーターが来たくらいにAが出てきた。
「裕ちん仕事は？」
「あるで、これから。お前も」
「え、私今日一日休み、」
「それ無し。お前も仕事入ってん」
「……あ、そっかあ」
言葉ではそう言うけど明らかにしょぼくれとるA。
「ふは、そんな顔すんなて。半分仕事、半分デートや」
「……いや全然意味分からへんねんけど(笑)」
エレベーターから降りて、俺の車に乗る。
Aの家に向かって車を走らせた。
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作者名：れい | 作成日時：2017年8月25日 1時
