スーパーヒーローと酔っ払い３ ページ16
Black Side
先に俺の家着いてすばるを降ろす。
「すばるこれ鍵。先入って寝とき」
「んん、分かった……」
「すばさんまたね、ちょっと裕ちん借りるわあ」
「ん、A、ちゅー」
「せえへん、……わ」
おうおう、がっつりAの後頭部持って思いっきりかましてはるわ。
「、ちょ、すば、」
「A〜」
Aにどんどん降り注ぐキスの雨。
……俺は何を見せられてんの…
妹のキスシーン見とるみたいでめっちゃ複雑やわ……
ちょっとしてやっと離れたすばるは満足気で、Aは顔真っ赤にして。
「……んは、またな」
「はいはいおやすみ」
「はよ寝ろ変態！ご馳走さま！！」
Aをぎゅーって抱き締めて頭をひと撫でして、
マンションのエントランスに消えていったのを確認。車を走らせる。
「……うわ、お前顔やっば」
「こっち見んと前見て」
そう言うてそっぽ向くA。
耳まで全部真っ赤やんけ。
「……裕ちん、今日ほんまごめんな」
「何がやねん」
「疲れとったのに来てもろうて……」
「ええねんて、明日休みやったから大丈夫や、気にすんな」
そう言うて頭撫でてやったら、ぽろぽろ泣き出した。
「ごめん、ごめんなあ」
「も、泣くなって、
明日撮影やろ？目え腫れてまうぞ」
「んんん、止まらへん〜……」
がんばって目を瞑って堪えようとしとるけど、涙は逆に溢れてくるばかりで。
久々にこんなボロボロ泣いとるA見て焦って、
とりあえず車を近くのパーキングに停めた。
「A？ほら、ちょっと顔上げ？」
「無理やあ、いま見せれる顔してへん〜」
「大丈夫泣いとっても可愛いから！」
「何言うてんねん〜きしょい〜」
なんで泣きながらディスられてんねん俺。
ティッシュ渡してとりあえず鼻水と涙を拭かせた。
「ほら、顔きAなったやろ？こっち向いて？」
「ううう嫌やあ」
「ああもう泣くなって！」
ほらこっち来いって胸を貸してやるとまた泣き出す。
こいつも相当酔っ払っとるやんけ。
よお頑張ったな、って背中トントンしてやるともっと泣き出す。
「ううう……服涙ついたあ」
「おーおー付けとけそんなもん」
「あ、ごめん鼻水ついた」
「……それは勘弁してくれほんま」
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作者名：れい | 作成日時：2017年8月25日 1時
