本とコーヒーと君 (ページ11)

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2.コーヒーページ11

次の日

この日はYouTubeの撮影があった。

樹「お前、どうした？なんか気持ち悪いぐらいニヤニヤしてんだけど」

軽い打ち合わせで隣に座った樹にそう言われた。

「気持ち悪いは余計だろ。まあいいことはあった」

樹「へー」

「もっと俺の話に興味もてよ！」

慎太郎「なになに北斗いい事って！」

慎太郎が前のめりに俺に聞いてきた。しかもすごくニヤついていた。

「お前には言わないよ！すぐ誰かに話すだろ」

慎「えー言わないよ！ほーくーと！教えて！」

「い、わ、ねぇ！」

そんな高校生みたいな会話をして、打ち合わせを始めた。

あんまり言わないけど、こんな高校生みたいな学生ノリのこのグループはやっぱり好きだ。

打ち合わせ、YouTube撮影を終えてマネージャーの運転する車に乗り込んだ。

車の中で開いたのは、ドラマや映画の台本ではなくAさんがおすすめした「星の王子様」だった。

昨日、寝る前に50ページほど読み進めた。

「星の王子様」は一度も読んだ事がなかった。でも、こんなにいい話だとは思わなかった。まだ序盤だけど、ページをめくる手は止まらなかった。