Puissance【 sn 】 (ページ47)

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# 02 ページ47

「家出、ってことは……親御さんは？」

「逃げたいんです、アイツらから……」

逃げたい。

その気持ちは、痛いほど分かる。

あの日。手術台のような所に拘束された俺は、

有無を言わされず変な薬を注入されそのまま……＿＿＿

思い出すだけで、胸の中を不快感が疼く。

それでも。

「でも、……俺ら、誘拐になっちゃう、」

「犯罪に手は染めらんないよな……」

舘さん、翔太が口々にそう言う。

確かに俺らのやっている事は犯罪、にあたるのかもしれない。

でも、それでも、蓮さんを放っておくことは

＿＿＿俺にはできない。

「ねぇ、翔太、舘さん…

蓮さん、一緒に帰ってあげられないかな」

「俺もそうしたい気持ちは山々なんだけどさ、…」

翔太が途中で言葉を詰まらせる。

そんなときだった。

「俺、絶対訴えませんし、そもそも俺成人してますし

訴えるかもしれない奴……は、家族じゃないんで」

え、成人してたの？

てっきり18、19くらいかと思ってた……

それなら、と正直気持ちが動いている。

逃げたい、家族じゃない、……

彼の口から出るワードは一々問い質したくなるけれど、

敢えてそれをスルーして、彼を受け入れる方向で動いた。