Puissance【 sn 】 (ページ46)

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【 Side : Green 】

「翔太と舘さんって、いつも散歩するの？」

「うん、ここに越してくる前からの日課。」

コンビニに飲み物を買いに行きたかった事もあり、

ゆり組(と、言うらしい)のふたりの散歩に着いていった。

＿＿それと、綺麗な月が出ていたから＿

「え、なんかあそこ、イケメン居るんだけど」

「ホントだ、ちょっと寒そうだけど…」

少し高そうな黒いシャツに、テクノカットの髪。

パーキングブロックに縮こまる様に座り、

菓子パンを食べながら空を見上げていた。

彼の纏う雰囲気は、＿どこか懐かしかった。

だからだろうか。

気が付くと、俺はその男性に話し掛けていた。

「…あの、寒くないんですか……？」

「………誰ですか？」

「…阿部です。阿部亮平です」

こちらを捉えた瞳はとても綺麗だった。

でも、どこか浮かないような、悲しそうな目をしていた。

「…蓮です、蓮の花の蓮」

………やっぱり、見たことがあるような気がする。

「あの、こんな寒い冬の夜に外でパン食べてる、って…

どうしたんですか？」

「……家出少年です、…てか少年って歳でもないけど

…もし良ければ、僕を泊めてくれませんか」

勇気を出したのであろう、彼の言葉。

確かに学生じゃないと言われても納得できる姿格好だった。