素直【爆豪勝己】 (ページ10)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:25,403 hit

10 ページ10

「まっとれ言うたろーが。」

バクゴーさんが呆れた顔で私に言う。

『待つ理由ないですっ！てゆうかもう大丈夫ですから離してください！いつまで抱きしめてるんですか！』

バクゴーさんの胸を両手で押すが、全然離してくれない。、！ち、ちから強すぎ！

「金。」

『あ。』

しまった。ケーキだけ置いてきて、お代頂き忘れた。

「っは。お前ほんとにバカだな。」

は、恥ずかしい！やらかしたー！！

バクゴーさんが笑いながら、さっきのように優しい手で私の頭をぽんぽんと撫でて、そっと体を離す。

歩行者信号が青になり、男の子のお母さんが駆け寄ってきた。

「申し訳ありません！！助けていただいて本当にありがとうございました！」

『いえいえ、ほんとに無事でよかったです！』

私と男の子のお母さんが話していると、バクゴーさんはしゃがみながら、男の子の頭をぽんぽんと撫でて、目線を合わせて何か話していた。

「じゃあなガキんちょ。そいつ、大事にしろよ。」

バクゴーさんが人形を指さしながら、男の子にゆう。

男の子の持っている人形をみると、
な！なんとバクゴー人形！！

つんつん頭も髪色もそっくりに作られている。が、眉間のシワはなく、ニコニコの人形。ファンシーかよ。
JK並に可愛く盛っとる。

『かわいい詐欺。実物と違いすぎる…』

「あ？なんか言ったか？」

『いいえなにも。』

男の子は人形を抱きしめながら、
「うん！！ちょうだいじにする！！」

男の子の嬉しそうな笑顔に安心した。

『でも、道路に飛び出しちゃだめだよ？』

「うん！きをつける！
バクゴーも！さっきのやくそく！おねえちゃんのことだいじにな！」

『へ？』

なにゆってるのこの子！？

「おう。超大事にするわ。じゃあなマセガキ。」

『は！？』

そう男の子に返事をし、バクゴーさんは私の手を引いて歩き出した。