素直【爆豪勝己】 (ページ14)

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バイトが終わり、時刻は19時を回る頃。

マンションまでの帰路は、薄暗く、人通りも少ない。

あの後バクゴーさんコーヒー飲んだらすぐ帰っちゃったなぁ。

明日はバイトもないし、大学も休校だから、お酒買って帰ろう！

コンビニに立ち寄り、缶チューハイとお菓子を買う。

雑誌コーナーにある男性ファッション誌の表紙にバクゴーを見つけ、思わず手に取る。

(Ｎｏ．2ヒーローブランドコラボ特集)

バクゴーさんって結構すごい人なんかなもしかして。

事務所に行った時は、なんかすごい怒ってたし、口も悪かったし、感じも悪いし、第一印象最悪だったな。

黙ってるとイケメンヒーローなんよな。

雑誌も一緒に会計し、コンビニを出る。

歩いていると、後ろから急に肩を掴まれた。

(っなに！？)

驚いて声をあげたが、

『キャッ！！んーッ！』

「大きな声出したらだめだよ？」

口を手で塞がれ抵抗できない。

(昼間店に来てた人だ！)

手を握ってきた男だった。

男はニヤリと笑い

「そうそう。いい子だね。さぁ、行こうか。」

そのまま建物の影に私を強引に連れ込もうとした。

(こわい！嫌！！)

恐怖に思わず涙がこぼれた。

BOM！！

爆発音と共に私を捕らえていた男が吹っ飛ぶ。

目を開けると、

「大丈夫か。」

『…バクゴー、さん？…』

ヒーローコスチューム姿のバクゴーさん。

また助けてくれた。

安心感からまた頬を涙が一筋伝う。

「…俺以外に泣かされてんじゃねぇ。」

『だって！めちゃくちゃ怖くって！…』

「すぐ片付けるから、後ろ下がっとけ。」

そう言って、よろよろと立ち上がった男の方を向き私を庇うように前に立った。